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ヤマブキ
Kerria japonica

 山地内の湿った場所を中心に、谷沿いだけでなく尾根、林縁にも自生しています。株立ちして樹高は高くても2mほど、木質化した樹皮は褐色ですが、若枝は緑色です。葉身が5〜11cmの葉は先端が尖っていて重鋸歯を持ち互生です。鮮やかな黄色い花弁が5枚つく花を4〜5月に多数咲かせる姿は遠くからでも目立ちます。果実は痩果で9月ごろに暗褐色に熟しますが、果実を守るかのように開花時の萼が残っています。ヤマブキは地下茎を張りめぐらし、いたるところから地上茎を出して株立ち状態になります。地上茎は3〜10年ほどで枯れますが、次から次へと新たな茎を出し、その繁殖力は旺盛です。[1][2][3]

山振

 ヤエヤマブキ(Kerria japonica f. plena)は雄しべが花弁となった八重咲きの品種で、古くから栽培されていました。後拾遺和歌集にある有名な和歌「ななへやへはなはさけども山ぶきのみのひとつだになきぞあやしき」に詠まれた「やまぶき」はこのヤエヤマブキとされています。歌にある様に雌しべも退化していて結実しません。ヤマブキもヤエヤマブキも古くから庭などに植えられてきました。万葉集の中にはヤマブキを「山振」と書いてあって、これが語源だと考えられています。枝が風にそよぐ様からつけられたのでしょうか。よく耳にする山吹色とは赤みがかった黄色のこの花の色のことです。このようにヤマブキは古くから人々に親しまれてきた木本であることがわかります。同じくよく植栽されていて姿形が似ている種にシロヤマブキ(Rhodotypos scandens)があります。その名の通り白い花が特徴的ですが、葉は互生で、当種とは異なるシロヤマブキ属(Rhodotypos)です。[4]

参考文献
  1. 茂木透ら(2009)『樹に咲く花―離弁花(1)(第4版)』山と溪谷社
  2. 林将之(2014)『樹木の葉』山と溪谷社
  3. 松田将ら(2001)『造林初期段階に出現する低木種の栄養繁殖型』「岩手大学農学部演習林報告」32, pp.77―83
  4. 深津正(1999)『植物和名の語源』八坂書房

Gallery

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樹形

宮城県深山(Apr. 18, 2021)

山地内の湿った場所を中心に、谷沿いだけでなく尾根、林縁にも自生しています。

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小石川植物園(Apr. 29, 2011)

葉身が5〜11cmの葉は先端が尖っていて重鋸歯を持ち互生です。

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宮城県深山(Apr. 18, 2021)

鮮やかな黄色い花弁が5枚つく花を4〜5月に多数咲かせる姿は遠くからでも目立ちます。

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宮城県深山(Apr. 18, 2021)

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果実

山形市野草園(July 23, 2021)

果実は痩果で9月ごろに暗褐色に熟しますが、果実を守るかのように開花時の萼が残っています。

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果実

山形市野草園(Sep. 5, 2021)

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樹皮

宮城県深山(Apr. 18, 2021)

木質化した樹皮は褐色ですが、若枝は緑色です。

Property
分 類
和名 ヤマブキ(山吹)
学名 Kerria japonica
バラ目(Rosales)
バラ科(Rosaceae)
ヤマブキ属(Kerria)
分布 日本、中国
国内 北海道、本州、四国、九州
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 低木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 互生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄同株(両性花)
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