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タカネザクラ
Cerasus nipponica var. nipponica

 北海道から本州の中部地方以北に自生していて、本州地方では標高1000m以上の標高の高い場所に生えている桜です。樹高は0.5〜8mと低く、特に山地の尾根に強風によって横に伸びて広がった樹形となった個体が見られます。樹皮には横に伸びた皮目が目立ちます。まだ若い樹皮は紫褐色で光沢がありますが、根本などの年を経た部位は縦に裂け目が生じるなどしてがさがさになってきます。5〜6月ごろ、葉の展開と同時に直径2〜3cmの淡い桃色の花を下向きに咲かせます。7〜8月に熟す果実は黒紫色です。葉身が4〜10cmの倒卵形で先端が尾状にとがる葉は重鋸歯で鋸歯の先端に腺があります。また蜜腺は葉柄の上部です。[1][2][3][4]

遺伝子解析

 東京大学大学院附属の小石川植物園の初代園長である松村任三が発表した種です。植物の学名にMatsum.と記載されているのはこの松村任三です。タカネザクラの変種としてチシマザクラ(Cerasus nipponica var. kurilensis)があります。タカネザクラは葉の両面、葉柄、花柄、萼筒などが無毛もしくはわずかに毛があるのに対して、チシマザクラはすべてに開出毛が付くという違いがあります。ただし、この特徴は連続性があって、明確に区分けできないそうです。

 国内に自生しているタカネザクラの遺伝子分析によって集団遺伝学的解析を行なったところ、北海道から東北にかけての個体と、本州中部に分布している個体の間に差異があることが分かりました。また、国内自生の南限である本州中部の集団は多様性が低く、近年の気候変動による影響に注視が必要であるとしています。[5]

参考文献
  1. 茂木透ら(2009)『樹に咲く花―離弁花(1)(第4版)』山と溪谷社
  2. 林将之(2014)『樹木の葉』山と溪谷社
  3. 近田文弘(2016)『桜の樹木学』技術評論社
  4. 清水建美(2002)『高山に咲く花』山と溪谷社
  5. 加藤珠理ら(2016)『SSR分析によるタカネザクラ集団の地理的遺伝構造の評価』「日本森林学会大会発表データベース」127, p.271

Gallery

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樹形

不忘山(May 29, 2021)

山地の尾根に強風によって横に伸びて広がった樹形となった個体が見られます。

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樹形

南蔵王杉ヶ峰(June 26, 2021)

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樹形

北大植物園(Aug. 12, 2018)

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焼石岳(June 18, 2022)

5〜6月ごろ、葉の展開と同時に直径2〜3cmの淡い桃色の花を下向きに咲かせます。

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果実

安達太良連峰 箕輪山(July 24, 2022)

7〜8月に熟す果実は黒紫色です。

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果実

屏風岳(June 27, 2021)

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果実

安達太良連峰 箕輪山(July 24, 2022)

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屏風岳(June 27, 2021)

葉身が4〜10cmの倒卵形で先端が尾状にとがる葉は重鋸歯で鋸歯の先端に腺があります。

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蜜腺

蜜腺は葉柄の上部です。

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樹皮

水引入道(May 29, 2021)

樹皮には横に伸びた皮目が目立ちます。

Property
分 類
和名 タカネザクラ(高嶺桜)
別名 ミネザクラ
学名 Cerasus nipponica var. nipponica
(Syn. Prunus iwagiensis)
(Syn. Prunus nipponica)
バラ目(Rosales)
バラ科(Rosaceae)
サクラ属(Cerasus)
分布 日本、サハリン、南千島
国内 北海道、本州
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 小高木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 互生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄同株(両性花)
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