バラ目 chevron_right バラ科 chevron_right サクラ属 chevron_right チョウジザクラ
チョウジザクラ
Cerasus apetala var. tetsuyae

 本種は日本固有種で、本州の主に太平洋側と九州の山地に自生しています。九州での自生地は熊本県八代市東部の石灰岩地のみです。樹高は3〜6mほどで、主幹が明確な個体がある一方で、株立ちする個体もあります。他の桜と同様に樹皮は灰褐色で、横に伸びた皮目が見られます。伝統工芸品てある樺細工にこの樹皮を用いたこともあるようですが、主幹の径はそれほど大きくなりません。3〜4月ごろ、葉の展開前か同時に白色または淡紅色の花を1〜3個づつ下向きに咲かせます。花弁は平開するため、萼筒と合わせて横から見ると丁の字に、またスパイスのクローブ(丁子)に似ていることから、その名がついたと言われています。基部が少し膨らむ萼筒、花柱の基部側には開出毛が見られ、萼片には鋸歯があるのが特徴的です。果実は6月に黒く熟しますが、私が食した個体の味は苦味がないものの味の薄いさくらんぼというところでした。果柄にも開出毛が目立ちます。倒卵形な葉の先端は尾状に長く伸び、重鋸歯ですが鋸歯の先には腺がつきます。蜜腺は葉の基部または葉柄に付き、葉柄は毛だらけです。[1][2][3][4]

チョウジザクラ群

 広義でのチョウジザクラ(Cerasus apetala)には、狭義の本種以外に、青森から富山までの日本海側に見られる毛の少ないオクチョウジザクラ(Cerasus apetala var. pilosa)、長野県と岐阜県に自生している鋸歯が鋭く毛の少ないミヤマチョウジザクラ(Cerasus apetala var. apetala)があります。チョウジザクラは一般的に観賞用として植えられることもありませんが、自然雑種や園芸品種が観賞用とされている例があります。

参考文献
  1. 茂木透ら(2009)『樹に咲く花―離弁花(1)(第4版)』山と溪谷社
  2. 林将之(2014)『樹木の葉』山と溪谷社
  3. 近田文弘(2016)『桜の樹木学』技術評論社
  4. 加藤雅啓ら(2011)『日本の固有植物』東海大学出版会

Gallery

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樹形

仙台市鎌倉山(June 4, 2023)

本種は日本固有種で、本州の主に太平洋側と九州の山地に自生しています。

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樹形

仙台市戸神山(May 28, 2023)

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仙台市鎌倉山(Apr. 2, 2023)

3〜4月ごろ、葉の展開前か同時に白色または淡紅色の花を1〜3個づつ下向きに咲かせます。

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仙台市鎌倉山(Apr. 2, 2023)

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仙台市鎌倉山(Apr. 2, 2023)

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果実

仙台市鎌倉山(June 4, 2023)

果実は6月に黒く熟し、果柄にも開出毛が目立ちます。

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果実

仙台市鎌倉山(June 4, 2023)

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仙台市戸神山(May 28, 2023)

倒卵形な葉の先端は尾状に長く伸び、重鋸歯ですが鋸歯の先には腺がつきます。

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樹皮

仙台市鎌倉山(Apr. 2, 2023)

他の桜と同様に樹皮は灰褐色で、横に伸びた皮目が見られます。

Property
分 類
和名 チョウジザクラ(丁字桜)
別名 メジロザクラ
学名 Cerasus apetala var. tetsuyae
(Syn. Cerasus apetala var. apetala)
(Syn. Prunus apetala)
(Syn. Prunus apetala var. tetsuyae)
バラ目(Rosales)
バラ科(Rosaceae)
サクラ属(Cerasus)
分布 日本
国内 本州、九州
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 小高木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 互生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄同株(両性花)
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