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チングルマ
Sieversia pentapetala

 北海道から本州中部地方までの高山帯に自生しています。樹高は3〜10cmほどで、地面を這って分枝して広がり群落を形成します。樹皮は赤褐色です。葉は奇数羽状複葉で鋭い鋸歯のある小葉が2から5対あります。[1][2]

 6〜8月、多数の黄色い雌しべと雄しべ、そして白い花弁が5枚の花を咲かせます。大雪山系の裾合平にはチングルマの大群落があり、花の咲く時期の景色は見事です。特徴的なのは果期の状態です。花が咲く時期の花柄はその長さが4〜5cmですが、果期になると7〜10cmにまで延びます。また、雌しべが延びて羽毛状となり、その根元に1つの果実があります。これらはタンポポの種のように風によって散布されます。

雪田と開花

 同種は雪田植物です。多雪地では小さな谷やくぼ地に多量の雪が積もり、遅くまで雪渓として残りますが、これを雪田と呼びます。雪田の場所によって雪解けの時期が異なるため雪田の付近には多様な植物が自生し、これらを雪田植物と呼びます。雪田植物は短い期間(例えば7〜9月)に順々に花を咲かせ、そして短期間に種子を作ります。面白いことにチングルマの種子はそのまま土に埋めても発芽せず、一度冷湿処理をすると発芽するそうです。これは雪の下に長期間おかれることで発芽する雪田植物の特徴と言えます。[3][4]

 「稚児車」は、果期の姿が風ぐるまに似ていることから稚児車(ちごぐるま)から転じてその名が付いたとも言われていますが、チゴノマイ(稚児の舞い)から転じて付けられたという説もあります。同属をダイコンソウ属の一部として分類する見方もありますが、ここではチングルマ属として独立させています。

参考文献
  1. 清水建美(2002)『高山に咲く花』山と溪谷社
  2. 梅沢俊(2009)『北海道の高山植物(新版)』北海道新聞社
  3. 増沢武弘(1997)『高山植物の生態学』東京大学出版会
  4. 増沢武弘(2009)『高山植物学』共立出版

Gallery

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樹形

大雪山系赤岳(July 21, 2018)

地面を這って分枝して広がり群落を形成します。

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大雪山系赤岳(July 21, 2018)

葉は奇数羽状複葉で鋭い鋸歯のある小葉が2から5対あります。

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大雪山系黒岳石室(July 12, 2015)

6〜8月に花弁が5枚の白い花を咲かせます。同じ山でも場所によって雪の解ける時期が異なるため、9月に咲く個体もあります。

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開花

大雪山系赤岳(July 21, 2018)

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大雪山系銀泉台第一花園(Sep. 2, 2018)

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大雪山系雲ノ平(July 14, 2018)

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果実

大雪山系赤岳第四雪渓(Sep. 2, 2018)

花が咲く時期の花柄はその長さが4〜5cmですが、果期になると7〜10cmにまで延びます。果実はタンポポの種のように風によって散布されます。

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果実

大雪山系赤岳第四雪渓(Sep. 2, 2018)

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果実

大雪山系赤岳第四雪渓(Sep. 2, 2018)

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樹皮

大雪山系雲ノ平(July 14, 2018)

樹皮は赤褐色です。

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群落地

大雪山系裾合平(July 22, 2017)

裾合平にはチングルマの大群落があり、花の咲く時期の景色は見事です。

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果期の群落

大雪山系雲ノ平(Aug. 19, 2017)

Property
分 類
和名 チングルマ(稚児車)
別名 イワグルマ、チゴノマイ、チョウカイチングルマ
学名 Sieversia pentapetala
(Syn. Sieversia pentapetala var. dilatata)
(Syn. Geum pentapetalum)
バラ目(Rosales)
バラ科(Rosaceae)
チングルマ属(Sieversia)
分布 日本、東北アジア
国内 北海道、本州
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 小低木
葉形 奇数羽状複葉
葉序 互生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄同株(両性花)
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