バラ目 chevron_right バラ科 chevron_right キイチゴ属 chevron_right ゴヨウイチゴ
ゴヨウイチゴ
Rubus ikenoensis

 本州の中部以北の亜高山帯に分布する針葉樹林帯の林内や林縁に自生しています。つる性で地をはっていますが、倒木や岩などを上から覆うこともよくあります。葉は五出複葉で小葉は鋸歯があり、葉柄には棘があります。5〜7月に花を咲かせますが、この花には花弁がありません。開花中に見えるのは棘の出た緑白色の大きな萼と雌しべを隠すように突き出た雄しべのみ。花弁は退化して針状になってしまっていて見えないのです。花が終わると萼は一度閉じますが、8〜9月ごろ、再び萼が開いて赤い集合果が姿を現します。その味は甘味も酸味も薄いといったところで、私が食べた個体は美味しくありませんでした。小葉が5枚あることからその名が付いたとされていますが、茎や花柄にも棘があり、別の名が「トゲゴヨウイチゴ」です。[1][2]

短命な地上茎

 株から伸ばした地上茎の先端が着地したところで根を出して新たな株を形成する栄養繁殖を行います。地上茎は生えた1年目は葉を茂らせ、翌年の2年目になると葉腋から花芽を出して花を咲かせます。地上茎の寿命は2年で、花を咲かせた2年生の茎は枯れてしまいます。一方で株自体は枯れずに残り、そこからまた新しい地上茎を出します。群落内の個体を調査した結果によると、全個体のほぼ半分が有性繁殖を行なっていなかったということです。本種によく似た葉をしているのがヒメゴヨウイチゴ(Rubus pseudojaponicus)です。こちらは棘がなく、花には立派な白い花弁があります。また地上茎の寿命は1年と、ゴヨウイチゴとは違ったほぼ草本といって良い特徴があります。[3]

参考文献
  1. 茂木透ら(2009)『樹に咲く花―離弁花(1)(第4版)』山と溪谷社
  2. 清水建美(2002)『高山に咲く花』山と溪谷社
  3. 鈴木和次郎(2021)『キイチゴの世界』日本林業調査会

Gallery

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樹形(倒木)

裏岩手連峰諸桧岳(July 24, 2021)

本州の中部以北の亜高山帯に分布する針葉樹林帯の林内や林縁に自生しています。

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樹形

八幡平茶臼岳(July 11, 2021)

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樹形

三ッ石山(Aug. 7, 2022)

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会津駒ヶ岳(July 17, 2021)

葉は五出複葉で小葉は鋸歯があり、葉柄には棘があります。

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葉の裏

八幡平茶臼岳(July 11, 2021)

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八幡平茶臼岳(July 11, 2021)

5〜7月に花を咲かせますが、この花には花弁がありません。

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八幡平黒谷地湿原(July 11, 2021)

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八幡平茶臼岳(July 11, 2021)

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八幡平茶臼岳(July 11, 2021)

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果実

八幡平(Sep. 3, 2022)

花が終わると萼は一度閉じますが、8〜9月ごろ、再び萼が開いて赤い集合果が姿を現します。

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未熟果

三ッ石山(Aug. 7, 2022)

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茎と棘

八幡平茶臼岳(July 11, 2021)

茎や花柄にも棘があり、別の名が「トゲゴヨウイチゴ」です。

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葉腋の花芽

八幡平(Sep. 3, 2022)

Property
分 類
和名 ゴヨウイチゴ(五葉苺)
別名 トゲゴヨウイチゴ
学名 Rubus ikenoensis
(Syn. Rubus japonicus)
バラ目(Rosales)
バラ科(Rosaceae)
キイチゴ属(Rubus)
分布 日本、朝鮮半島
国内 北海道、本州
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 つる性
葉形 5出複葉(不分裂)
葉序 互生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄同株(両性花)
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