バラ目 chevron_right バラ科 chevron_right バラ属 chevron_right オオタカネバラ
オオタカネバラ
Rosa acicularis

 本州中部の日本海側から北海道の低山から亜高山帯の岩場に生えています。高さは1m前後で、枝や幹には棘が多く見られます。奇数羽状複葉で小葉が2〜3対あり、その小葉は先端の2/3程度のみ鋸歯があります。葉柄の根元には先の鋭い托葉が葉柄を巻くようにして付いています。6〜8月に5つの花弁を持つピンク色の花を咲かせます。果実は紡錘形で9月ごろに赤く熟します。よく似ている近縁種のタカネバラに比較して小葉が大きく、花も果実も大きめです。[1][2][3]

風穴植物群

 溶岩流などにより形成された洞窟、岩盤が割れる節理が開口した開口節理などトンネル状の空隙が傾斜を持つと、地下の岩の隙間で冷やされた空気が上から下にゆっくりと吹き出します。この穴を風穴と呼びますが、夏でも2〜5℃に保たれた風が吹き出し、その近隣は涼やかです。過去には天然の冷蔵庫として野菜や果実の貯蔵場、また蚕の卵の保存用として広く利用されてきました。風穴植物群とは、この風穴からの冷気を拠り所にしている植物群のことです。オオタカネバラもこの植物群を構成する一つです。氷河期に南下した後に温暖になる際に風穴の周りで生き残り、隔離分布したと考えられています。[4]

参考文献
  1. 茂木透ら(2009)『樹に咲く花―離弁花(1)(第4版)』山と溪谷社
  2. 清水建美(2002)『高山に咲く花』山と溪谷社
  3. 梅沢俊(2009)『北海道の高山植物(新版)』北海道新聞社
  4. 五百川裕ら(2003)『風穴地の維管束植物 (1)』「植物地理・分類研究」51, pp.13-26

Gallery

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樹形

北大植物園(May 27, 2018)

本州中部の日本海側から北海道の低山から亜高山帯の岩場に生えています。

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北大植物園(Aug. 12, 2018)

奇数羽状複葉で小葉が2〜3対あり、その小葉は先端の2/3程度のみ鋸歯があります。

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葉の展開

北大植物園(Apr. 29, 2018)

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北大植物園(May 27, 2018)

6〜8月に5つの花弁を持つピンク色の花を咲かせます。

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果実

北大植物園(Aug. 12, 2018)

果実は紡錘形で9月ごろに赤く熟します。

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樹皮

北大植物園(Aug. 12, 2018)

高さは1m前後で、枝や幹には棘が多く見られます。

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枝と棘

北大植物園(Aug. 12, 2018)

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北大植物園(Aug. 12, 2018)

Property
分 類
和名 オオタカネバラ(大高嶺薔薇)
別名 オオタカネイバラ
学名 Rosa acicularis
(Syn. Rosa suavis)
バラ目(Rosales)
バラ科(Rosaceae)
バラ属(Rosa)
分布 日本、ユーラシア北部
国内 北海道、本州
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 低木
葉形 羽状複葉(奇数)
葉序 互生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄同株(両性花)
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