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タカネバラ
Rosa nipponensis

 本州の中部地方より北や四国にある高山や亜高山の尾根筋など日当たりの良い場所に自生しています。樹高は高くて2mほどですが、風の強い尾根にある個体などでは、横に広がるなどして高さが50cmにも満たないものが多く見られます。枝には棘がありますが、中には棘のほとんどないものもあります。葉は奇数羽状複葉で、楕円形で先端が丸みを帯びた3〜4対ある小葉には鋭い鋸歯があり、葉軸には細かい棘と先端がやや丸くなった腺毛が見られます。葉軸の根元には托葉があります。枝の先端から6〜8月に咲く花は、美しいピンク色をした5枚の花弁からなり、数多くの雄しべの中心に白い毛が密生した雌しべがあります。萼片は長く尾状になっていて、内側と縁には白い毛が密生しています。8〜9月に赤く熟す果実は花托が肥大化した偽果です。[1][2][3]

似て非なる

 栽培されているバラには様々な品種が人間の手によって作られてきましたが、それとは異なるもともと自生していたバラを原種と呼びます。タカネバラによく似た原種のバラにオオタカネバラ(Rosa acicularis)があります。その名の通りでタカネバラの花をもっと大きくした感じのバラです。ただし、小葉は2〜3対と少ない一方で葉身長は長くてその先は尖ります。亜高山帯に自生しており、風穴植物の1つでもあります。元々タカネバラは、その特徴からオオタカネバラの変種(Rosa acicularis var. nipponensis)とされていました。近縁種間の系統解析に用いられる葉緑体のmatK遺伝子を分析した結果、かなり異なることがわかり、タカネバラは母種から切り離され(Rosa nipponensis)、単体のクレード(近縁種がない)とされました。[4]

参考文献
  1. 茂木透ら(2009)『樹に咲く花―離弁花(1)(第4版)』山と溪谷社
  2. 林将之(2014)『樹木の葉』山と溪谷社
  3. 清水建美(2002)『高山に咲く花』山と溪谷社
  4. Shuiquin Wu et al.(2000)"Phylogenetic Analysis of Japanese Rosa Species Using matK Sequences", Breeding Science, 50, pp.275-281

Gallery

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樹形

南蔵王(June 27, 2021)

本州の中部地方より北や四国にある高山や亜高山の尾根筋など日当たりの良い場所に自生しています。

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樹形

南蔵王(June 27, 2021)

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南蔵王(June 27, 2021)

葉は奇数羽状複葉で、楕円形で先端が丸みを帯びた3〜4対ある小葉には鋭い鋸歯があります。

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小葉

南蔵王(June 27, 2021)

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葉の裏

南蔵王(June 27, 2021)

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南蔵王(June 27, 2021)

枝の先端から6〜8月に咲く花は、美しいピンク色をした5枚の花弁からなります。

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蕾と尾状の萼片

南蔵王(June 27, 2021)

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果実

南蔵王(Sep. 20, 2021)

8〜9月に赤く熟す果実は花托が肥大化した偽果です。

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果実

南蔵王(Sep. 20, 2021)

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樹皮

南蔵王(June 27, 2021)

枝には棘がありますが、中には棘のほとんどないものもあります。

Property
分 類
和名 タカネバラ(高嶺薔薇)
別名 タカネイバラ、ミヤマハマナス
学名 Rosa nipponensis
(Syn. Rosa acicularis var. nipponensis)
バラ目(Rosales)
バラ科(Rosaceae)
バラ属(Rosa)
分布 日本、東アジア
国内 本州、四国
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 低木
葉形 羽状複葉(奇数)
葉序 互生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄同株(両性花)
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