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バイカツツジ
Rhododendron semibarbatum

 北海道南西部から、本州、四国、そして九州までの林縁に自生している日本固有種です。樹高は1〜2mになり、株立ちします。樹皮は灰褐色で、細かな亀裂が縦に入ります。葉は葉身が3〜7cmの楕円形で枝先に集まって付きます。葉縁には細かく鈍い鋸歯があり、さらに細かな毛が生えています。当種は細かい毛があちらこちらに生えているのが特徴的で、葉の脈や葉柄、若い枝、花柄、果実には、白い細かな毛や腺毛が見られます。6〜7月、枝先の下に1つ又は複数個の白い花を咲かせます。5裂した花冠のうち上側の3枚、または花冠全体の根元側に紅紫色の斑点があります。東日本だとこの斑点が上側のみ、西日本では花冠全体に見られる傾向にあるようです。雄しべは5本あるのですが、下側に長くて湾曲した3本、上側に短くて白い毛が密生する2本と、異なる雄しべを持ちます。花冠が2cmほどの可憐な花なのですが、梅雨時に葉の下で咲かせることもあって、ただ通り過ぎるだけでは気付きにくい花です。果実は球形の朔果で長い花柱が残ります。11〜12月に先が5裂した果実の中から細かな種子がこぼれ落ちます。梅に似た花を咲かすことからその名が付けられました。[1][2][3]

2本の仮雄しべ

 2種類の雄しべがあることを書きましたが、花糸の短い雄しべの葯は小さく、退化した仮雄しべと見られています。バイカツツジの花粉媒介昆虫はマルハナバチ類のようですが、この仮雄しべに密生している白毛は紫外線を反射しないため、紫外線が見えるハチの眼には濃く目立ち、蜜へと誘導する蜜標の役目を果たしている可能性があります。また、仮雄しべを除去した花より残した花の方にマルハナバチが多く訪花し、持ち出した花粉の量も多かったとのこと。雌しべは、開花から時間が経つと花柱を伸ばし、先端の柱頭は仮雄しべ側から生殖機能を持つ長い雄しべ側に近づきます。バイカツツジの花に袋をかけると自家受粉しなかったことから、花柱と雄しべを離すことによって自家受粉を防ぎつつ、巧みにマルハナバチ類に花粉を運ばせているようです。[4]

参考文献
  1. 茂木透ら(2008)『樹に咲く花―合弁花・単子葉・裸子植物(第3版)』山と溪谷社
  2. 林将之(2014)『樹木の葉』山と溪谷社
  3. 加藤雅啓ら(2011)『日本の固有植物』東海大学出版会
  4. 小野晶子ら(2003)『バイカツツジの送粉様式と仮雄蕊の機能』「日本生態学会大会講演要旨集」ESJ50、p.130

Gallery

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樹形

仙台市秋保大滝植物園(July 9, 2022)

樹高は1〜2mになり、株立ちします。

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樹形

宮城県蕃山(Dec. 9, 2023)

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仙台市秋保大滝植物園(July 9, 2022)

葉は葉身が3〜7cmの楕円形で枝先に集まって付きます。

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仙台市秋保大滝植物園(July 9, 2022)

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葉の裏

山形市野草園(June 26, 2022)

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葉柄

山形市野草園(June 26, 2022)

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冬芽

山形市野草園(Apr. 9, 2022)

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紅葉

山形市野草園(Nov. 3, 2023)

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仙台市秋保大滝植物園(July 9, 2022)

6〜7月、枝先の下に1つ又は複数個の白い花を咲かせます。

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山形市野草園(June 26, 2022)

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仙台市秋保大滝植物園(July 9, 2022)

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仙台市秋保大滝植物園(July 9, 2022)

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仙台市秋保大滝植物園(July 9, 2022)

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果実

山形市野草園(Nov. 3, 2023)

11〜12月に先が5裂した果実の中から細かな種子がこぼれ落ちます。

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果実

宮城県蕃山(Dec. 9, 2023)

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樹皮

宮城県蕃山(Dec. 9, 2023)

樹皮は灰褐色で、細かな亀裂が縦に入ります。

Property
分 類
和名 バイカツツジ(梅花躑躅)
学名 Rhododendron semibarbatum
ツツジ目(Ericales)
ツツジ科(Ericaceae)
ツツジ属(Rhododendron)
分布 日本
国内 北海道、本州、四国、九州
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 低木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 互生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄同株(両性花)
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