本州中部以北にある亜高山の林内でよく自生しています。
ハクサンシャクナゲ
Rhododendron brachycarpum
本州中部以北にある亜高山の林内でよく自生しています。樹高は1〜3mほど。樹皮は灰褐色から黄褐色で縦に筋が入ります。長楕円形の葉は革質で表面は光沢があり、その縁は裏に向かって巻き加減になっていることが多いです。葉の裏には褐色の軟毛が密生するか、全く生えていません。6〜8月、10〜15個の花を枝先から咲かせます。花冠は5つに分かれる合弁花で、淡い紅色から紅白色、また白色まで、開花からの時間経過や個体によりその色は様々です。果実は朔果で8〜10月に熟します。近似種のアズマシャクナゲ(Rhododendron degronianum)と東北地方南部から関東でその自生地が重なっていますが、葉の基部に繋がる葉縁がアズマシャクナゲは葉柄に沿って、本種はほぼ垂直になって付く違いがあります。[1][2][3][4][5]
その生態
本種の生育地は寒冷地であるため、耐寒性が高くなければ生き残ることができません。葉の細胞内にある水分を減らすことなどによって凍結を防ぎ、また葉を丸めて棒状にすることで水分の蒸発を防ぎ冬の乾燥にも耐えるなど、亜高山の気候に順応していると考えられています。植物が子孫を残す方法はいくつかありますが、ハクサンシャクナゲは種子による繁殖(有性繁殖)だけでなく、栄養繁殖することがわかっています。地面に接した下枝などから発根し、個体として生長する伏状更新です。当種の葉から得た抽出物、つまりお茶を摂取したことによる中毒事例が過去に発生しています。ジテルペン系化合物のグラヤノトキシンⅠが主な原因物質です。血圧降下作用を期待しての飲用だったようですが、麻痺毒によるショック症状を呈したそうです。[6][7][8][9]
様々な変種
ハクサンシャクナゲには変種が多くあります。葉の裏に褐色の軟毛が無いかまばらなものをケナシハクサンシャクナゲ(Rhododendron brachycarpum f. fauriei)と呼び本州北部に多く見られます。ネモトシャクナゲ(Rhododendron brachycarpum f. nemotoanum)は別名ヤエハクサンシャクナゲとも呼ばる福島県北部の吾妻山系で見つかった、花糸が花弁化した八重咲き品種で福島県の県花です。ウラゲハクサンシャクナゲまたはエゾシャクナゲ(Rhododendron brachycarpum f. brachycarpum)はビロード状の毛が葉の裏に密生していて北海道に自生。北海道襟裳岬の沿岸風衝地に自生している樹高10cmほどにしからならないエリモシャクナゲもあります。なお、ここではこれら変種を区別せずに説明しています。
Gallery
長楕円形の葉は革質で表面は光沢があり、その縁は裏に向かって巻き加減になっていることが多いです。
ケナシハクサンシャクナゲのタイプ。
6〜8月、10〜15個の花を枝先から咲かせます。
果実は朔果で8〜10月に熟します。
樹皮は灰褐色から黄褐色で縦に筋が入ります。
Property
| 分 類 | |
|---|---|
| 和名 | ハクサンシャクナゲ(白山石楠花) |
| 別名 | シロバナハクサンシャクナゲ、シロバナシャクナゲ |
| 学名 | Rhododendron brachycarpum |
| 目 | ツツジ目(Ericales) |
| 科 | ツツジ科(Ericaceae) |
| 属 | ツツジ属(Rhododendron) |
| 分布 | 日本 |
| 国内 | 北海道、本州、四国 |
| 用途 | |
| 特 徴 | |
|---|---|
| 針広 | 広葉樹 |
| 常落 | 常緑樹 |
| 樹高 | 低木 |
| 葉形 | 単葉(不分裂) |
| 葉序 | 互生 |
| 葉縁 | 全縁 |
| 雌雄 | 雌雄同株(両性花) |