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アセビ
Pieris japonica

 東北地方南部〜九州の主に山地によく群生して生えています。高さは2m、大きいものは10m近くにもなります。葉は長さが3〜10cmで、先半分に細かい鋸歯があります。灰褐色の樹皮は少しねじれながら縦に避けます。2~5月、白いスズラン状の多数の花を垂れ下がった花序から下向きにつけます。花芽は開花前年の秋には既にできていて、そのまま冬を越します。9〜10月に熟す果実は球形で花と逆に上向きに付きます。日本固有種とされています。中国にも似た種があるようですが、同種かどうかはまだ判っていないようです。[1][2][3][4]

純林形成の理由

 葉や茎に毒があり、馬が食べると酔ったようにふらつくので「馬酔木」書かれ、また「足しびれ」が和名の「アセビ」になったと言われています。羊の死亡例があるほど強い毒です。昔、アセビの葉を煎じた汁を家畜や植物の病害虫駆除に用いていました。毒性成分はジテルペノイドのグラヤノトキシンⅠ(アセボトキシン)などです。別名でウマクワズやシカクワズとも呼ばれるように、鹿の食害を受けた山ではこのアセビだけが食べられず、尾根筋にアセビが純林のようになってしまっているところもあります。[5]

 ところが、この毒を逆に利用する生物がいます。シャクガ科の蛾の一種であるヒョウモンエダシャクは有毒成分の含有量が多い若い葉を好んで食べ、その毒を体内に蓄積します。そのため鳥はこの蛾を食べようとせず、ヒョウモンエダシャクは堂々と昼間に活動しているそうです。[6]

参考文献
  1. 林将之(2004)『葉で見わける樹木』小学館
  2. 茂木透ら(2008)『樹に咲く花―合弁花・単子葉・裸子植物(第3版)』山と溪谷社
  3. 上原敬二(1959)『植物大図説』有明書房
  4. 加藤雅啓ら(2011)『日本の固有植物』東海大学出版会
  5. 佐竹元吉ら(2012)『日本の有毒植物』学研教育出版
  6. 渡辺一夫(2010)『アセビは羊を中毒死させる』築地書館

Gallery

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樹形

多摩森林科学園(Apr. 29, 2010)

高さは2m、大きいものは10m近くにもなります。

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多摩森林科学園(Apr. 29, 2010)

葉は長さが3〜10cmで、先半分に細かい鋸歯があります。

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花芽

筑波実験植物園(Sep. 19, 2010)

2~5月、白いスズラン状の多数の花を垂れ下がった花序から下向きにつけます。

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小石川植物園(Mar. 5, 2011)

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小石川植物園(Mar. 5, 2011)

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樹皮

多摩森林科学園(Apr. 29, 2010)

灰褐色の樹皮は少しねじれながら縦に避けます。

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食害で残ったアセビ

奥多摩(Dec. 19, 2004)

鹿の食害を受けた山ではこのアセビだけが食べられず、尾根筋にアセビが純林のようになってしまっているところもあります。

Property
分 類
和名 アセビ(馬酔木)
学名 Pieris japonica
ツツジ目(Ericales)
ツツジ科(Ericaceae)
アセビ属(Pieris)
分布 日本
国内 本州、四国、九州
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 常緑樹
樹高 低木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 互生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄同株(両性花)
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