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ツルコケモモ
Vaccinium oxycoccos

 北海道、および本州の中部以北に分布しています。自生地はミズゴケ類が生育する高層湿原にあります。亜高山帯や高山帯に自生するため、本州では標高の高い場所に行かないと見れませんが、道東では低地でも見ることができます。樹高は高くても20cm程度で細い茎が横を張って広がります。葉は厚みがあって楕円状。縁は全縁で少し裏に巻き、葉の裏は白みを帯びます。6〜7月に濃いまたは薄いピンク色の花を咲かせます。毛の生えている直立した花柄の先に咲く花は開花すると4つの花弁が後ろに反り返り、1本突き出る花柱の周りを雄しべが囲っています。釣鐘状の花冠を持つ同属のコケモモとは花の見た目がまったく異なるので縁が遠いように思えますが、花柱と葯の組み合わせがそっくりです。9〜10月に赤く熟す直径1cmの果実は食べることができます。[1][2]

針金泥炭

 植生にツルコケモモーミズゴケクラスと呼ぶ区分があります。これは貧栄養で強酸性の高層湿原に見られる植物群落の1つで、長い時間をかけてこれらは高位泥炭と呼ばれる泥炭になります。泥炭は植物の遺骸の蓄積速度よりも分解速度が遅いために生成されるものです。特にツルコケモモの長い茎が三次元で網目のように絡み合っていて、泥炭が広がる北海道の開拓時代は鋤くのに難儀するこれを針金泥炭と呼んで嫌っていたそうです。

果実はジャムやソースに

 日本では高山植物なのであまり馴染みのない果実ですが、亜種も含めて低地にも自生している北ヨーロッパやアメリカ北部ではよく知られた果実です。果実は酸味が強く、リンゴの紅玉に酸味と食感が似ていて、ジャムやソースなどに用いられます。ツルコケモモの仲間の総称をクランベリーと呼び、これから作るソースがよく知られたクランベリーソースです。

参考文献
  1. 清水建美(2002)『高山に咲く花』山と溪谷社
  2. 梅沢俊(2009)『北海道の高山植物(新版)』北海道新聞社

Gallery

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樹形

栗駒山イワカガミ湿原(July 18, 2020)

自生地はミズゴケ類が生育する高層湿原にあります。

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栗駒山イワカガミ湿原(July 18, 2020)

葉は厚みがあって楕円状。縁は全縁で少し裏に巻き、葉の裏は白みを帯びます。

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ニセコ鏡沼(Sep. 8, 2019)

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葉の裏

雨竜沼湿原(July 9, 2017)

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栗駒山イワカガミ湿原(July 18, 2020)

毛の生えている直立した花柄の先に咲く花は開花すると4つの花弁が後ろに反り返り、1本突き出る花柱の周りを雄しべが囲っています。

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栗駒山イワカガミ湿原(July 18, 2020)

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花弁

栗駒山イワカガミ湿原(July 18, 2020)

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果実

ニセコ鏡沼(Sep. 8, 2019)

9〜10月に赤く熟す直径1cmの果実は食べることができます。

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果実

ニセコ鏡沼(Sep. 8, 2019)

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果実

ニセコ鏡沼(Sep. 8, 2019)

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ミズゴケのマット

栗駒山イワカガミ湿原(July 18, 2020)

植生にツルコケモモーミズゴケクラスと呼ぶ区分があります。これは貧栄養で強酸性の高層湿原に見られる植物群落の1つです。

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ミズゴケのマット

ニセコ鏡沼(Sep. 8, 2019)

Property
分 類
和名 ツルコケモモ(蔓苔桃)
学名 Vaccinium oxycoccos
(Syn. Oxycoccus quadripetalus)
(Syn. Oxycoccus palustris subsp. hagerupii)
(Syn. Oxycoccus palustris)
(Syn. Oxycoccus oxycoccos)
ツツジ目(Ericales)
ツツジ科(Ericaceae)
スノキ属(Vaccinium)
分布 日本、周北極地方
国内 北海道、本州
用途 食用(果実)
特 徴
針広 広葉樹
常落 常緑樹
樹高 小低木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 互生
葉縁 全縁
雌雄 雌雄同株(両性花)
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