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コケモモ
Vaccinium vitis-idaea

 北海道、本州、四国、九州の高山帯や亜高山帯に自生しています。北海道では千mクラスの山から、霧が多いため年間を通して気温の低い道東の湿原などの低地でも見ることができます。樹高は高くて20cm程度、匍匐して横に広がります。葉は楕円形で光沢があり、裏側に向かって若干丸まります。6〜7月に釣り鐘状の白か薄いピンク色の花を咲かせ、8〜9月に球形の赤い果実を実らせます。[1][2]

周北極要素

 当種は周北極要素の主要な植物の1つです。地球の気候が寒冷化する氷河時代には寒冷な氷期と比較的温暖な間氷期が繰り返し訪れます。現在は260万年前から続く第四紀氷河時代にあり、最後に起きた氷期である最終氷期は約11万年前に始まり約1万5千年前に終わりました。今は間氷期の時期にあります。氷期の日本は九州南部が秋田の気候に近かったと考えられています。北半球にある寒冷地の植物も第四紀氷河時代の氷期の時代に南下し間氷期には北上しますが、これらの種を周北極要素と呼びます。間氷期に高山帯などに取り残された国内の高山植物の1つがこの同種です。[3]

果実はジャムに

 日本では高山植物なのであまり馴染みのない果実ですが、亜種も含めて低地にも自生している北・東・中央ヨーロッパではよく知られた果実です。特に北欧では最も身近な木の実でジャムやソースなどに用いられます。「モモ」と呼ばれていますが食感は酸味の強いリンゴのようです。

参考文献
  1. 清水建美(2002)『高山に咲く花』山と溪谷社
  2. 梅沢俊(2009)『北海道の高山植物(新版)』北海道新聞社
  3. 増沢武弘(2009)『高山植物学』共立出版

Gallery

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樹形

樽前山(Sep. 8, 2013)

樹高は高くて20cm程度、匍匐して横に広がります。

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樽前山(Sep. 8, 2013)

葉は楕円形で光沢があり、裏側に向かって若干丸まります。

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大雪山系駒草平(July 21, 2017)

6〜7月に釣り鐘状の白か薄いピンク色の花を咲かせます。

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果実

大雪山系駒草平(Sep. 10, 2017)

「モモ」と呼ばれていますが食感は酸味の強いリンゴのようです。

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果実

大雪山系駒草平(Sep. 10, 2017)

Property
分 類
和名 コケモモ(苔桃)
学名 Vaccinium vitis-idaea
(Syn. Vaccinium vitis-idaea subsp. minus)
(Syn. Vaccinium vitis-idaea var. minus)
(Syn. Vaccinium minus)
(Syn. Rhodococcum vitis-idaea)
(Syn. Rhodococcum minus)
ツツジ目(Ericales)
ツツジ科(Ericaceae)
スノキ属(Vaccinium)
分布 日本、周北極地方
国内 北海道、本州、四国、九州
用途 食用(果実)
特 徴
針広 広葉樹
常落 常緑樹
樹高 小低木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 互生
葉縁 全縁
雌雄 雌雄同株(両性花)
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