ツツジ目 chevron_right ツツジ科 chevron_right ドウダンツツジ属 chevron_right サラサドウダン
サラサドウダン
Enkianthus campanulatus

 日本の固有種で、北海道の南西部、本州では兵庫県以北、四国では徳島県の山の岩場などに生えています。高さは4mぐらいになります。葉の長さは5cmぐらいで、枝先に集まって秋にはきれいに赤く色づきます。5~6月にお寺の釣り鐘のような大きさ1cmぐらいの小さな花を下向きにいっぱい咲かせます。楕円形の実ができますが、面白いことに花は下向きなのに対して実は上向きになります。[1][2]

 公園や庭によく植えられるドウダンツツジの仲間です。枝の分かれ方が「結び灯台(3本の枝を立ててその上に油の皿を置いたもので、よく時代劇に出てきます)」に似ていることから「ドウダン(灯台)」と名がついたそうです。さらに花にある赤色のしま模様が布の更紗模様(さらさもよう)に似ていることでサラサドウダンと呼ばれています。なお、個体によって赤みが強いものもあります。特に花の赤みが強いものをベニサラサドウダン(Enkianthus campanulatus var. palibinii)、花冠の切れ込みが深いものをツクシドウダン(Enkianthus campanulatus var. longilobus)と呼びます。

脆弱な種

 本種は稚樹の生長が遅く、高木層やササの層があると、なかなか定着できません。そのため高木もササも生長しにくい岩場のような場所で個体を確認することができます。特に小径木は、ニホンジカによって樹皮を剥かれると2〜3年で枯死することがあり、個体数を減らしているそうです。一方で樹皮が再生する例も多いとのこと。[3][4][5]

参考文献
  1. 茂木透ら(2008)『樹に咲く花―合弁花・単子葉・裸子植物(第3版)』山と溪谷社
  2. 加藤雅啓ら(2011)『日本の固有植物』東海大学出版会
  3. 島野光司ら(2011)『長野県小海町・山の神サラサドウダン群落の植生的特徴と今後の保全について』「志賀自然教育研究施設研究業績」(48)、pp.15-27
  4. 吉野豊ら(2005)『絶滅危惧種「サラサドウダン」の保全に関する研究(1)』「兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告 森林林業編」(52)、pp.1-6
  5. 阪上宏樹ら(2021)『八ヶ岳高原海の口自然郷内に群生するサラサドウダンのシカによって剥皮された樹皮の再生状況』「木材学会誌」67(4)、pp.188-196

Gallery

zoom_in

樹形

不忘山(May 29, 2021)

日本の固有種で、北海道の南西部、本州では兵庫県以北、四国では徳島県の山の岩場などに生えています。

zoom_in

樹形

栗駒山(July 19, 2020)

zoom_in

樹形

不忘山(June 27, 2021)

zoom_in

筑波実験植物園(May 8, 2010)

葉の長さは5cmぐらいで、枝先に集まって秋にはきれいに赤く色づきます。

zoom_in

紅葉

東吾妻山(Sep. 12, 2021)

zoom_in

筑波実験植物園(May 8, 2010)

花にある赤色のしま模様が布の更紗模様(さらさもよう)に似ていることでサラサドウダンと呼ばれています。

zoom_in

北大植物園(May 27, 2018)

zoom_in

赤みの強い花

秋田駒ヶ岳(July 3, 2021)

zoom_in

果実

筑波実験植物園(Sep. 19, 2010)

楕円形の実ができますが、面白いことに花は下向きなのに対して実は上向きになります。

zoom_in

未熟果

山形市野草園(July 23, 2021)

zoom_in

朔果

山形市野草園(Oct. 9, 2021)

Property
分 類
和名 サラサドウダン(更紗灯台/更紗満天星)
別名 フウリンツツジ
学名 Enkianthus campanulatus
(Syn. Tritomodon campanulatus)
ツツジ目(Ericales)
ツツジ科(Ericaceae)
ドウダンツツジ属(Enkianthus)
分布 日本
国内 北海道、本州、四国
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 低木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 互生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄同株(両性花)
Search
Family