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クロビイタヤ
Acer miyabei

 クロビイタヤは川沿いや湿地といった湿った土地に自生しています。日本固有種であり、北海道の太平洋側、東北の北部、中部の山岳部に隔離分布しています。樹高は10〜20mほどになり、コルク質の樹皮は灰褐色で縦に細かくひび割れます。葉は手のひらのように五裂し、先端の鈍い鋸歯があります。5〜6月に黄色い花を枝先に咲かせますが、雄しべの退化した両性花と、雄花の両方が付きます。先に雄花が咲き、その後で雌花が開花します。果実は翼果ですが、翼が水平またはやや上方にそります。この翼果の種子部、葉裏の葉脈、葉柄などに毛が生えています。なお果実に毛がないものをシバタカエデ(Acer miyabei f. shibatae)と呼びます。[1][2][3][4]

宮部金吾

 植物学者の宮部金吾が当種を発見したことから学名に「miyabei」が付けられました。北海道新冠町字明和で明治17年にこの新種を宮部金吾が発見しており、明和に生えていたクロビイタヤが新冠町郷土資料館の前に移植されています。札幌には北海道大学植物園がありますが、その前身である札幌農学校植物園の初代園長が宮部金造です。

絶滅危惧種

 2019年の環境省レッドリストにおいて絶滅危惧II類「絶滅の危険が増大している種」に指定されています。クロビイタヤは、河川の氾濫によって土砂が堆積してできる氾濫原を主な自生地としています。氾濫原は砂地ですが水が得やすいため、水田や畑、また集落地に利用されやすい土地です。人の開発による森林消失の影響は大きいのですが、さらに当種は部分的自家不和合性で虫媒花であることから、森林の分断によって種子の結実率が低下して子孫を残しにくくなっていると考えられているようです。[5]

参考文献
  1. 茂木透ら(2009)『樹に咲く花―離弁花(2)(第2版)』山と溪谷社
  2. 林将之(2014)『樹木の葉』山と溪谷社
  3. 猪狩貴史(2010)『カエデ識別ハンドブック』文一総合出版
  4. 加藤雅啓ら(2011)『日本の固有植物』東海大学出版会
  5. 永光輝義『希少樹種の現状と保全 13.クロビイタヤ』森林研究・整備機構、https://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/raretree/13_AMindex.html、(参照2020.3.22)

Gallery

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樹形

北大植物園(May 27, 2018)

日本固有種であり、北海道の太平洋側、東北の北部、中部の山岳部に隔離分布しています。

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樹形(冬季時)

北大植物園(Apr. 29, 2018)

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複雑な幹

千歳市千歳川(May 30, 2020)

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千歳市(May 17, 2020)

葉は手のひらのように五裂し、先端の鈍い鋸歯があります。

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冬芽

北大苫小牧研究林(May 2, 2020)

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葉の展開

北大苫小牧研究林(May 20, 2018)

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開花

千歳市千歳川(May 30, 2020)

5〜6月に黄色い花を枝先に咲かせますが、雄しべの退化した両性花と、雄花の両方が付きます。

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果実

北大植物園(Aug. 31, 2019)

果実は翼果ですが、翼が水平またはやや上方にそります。

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樹皮

北大植物園(Apr. 29, 2018)

コルク質の樹皮は灰褐色で縦に細かくひび割れます。

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新冠町郷土資料館の個体

新冠町郷土資料館(July 9, 2016)

北海道新冠町字明和で明治17年にこの新種を宮部金吾が発見しており、明和に生えていたクロビイタヤが新冠町郷土資料館の前に移植されています。

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看板

新冠町郷土資料館(July 9, 2016)

Property
分 類
和名 クロビイタヤ(黒皮板屋)
別名 ミヤベイタヤ
学名 Acer miyabei
ムクロジ目(Sapindales)
ムクロジ科(Sapindaceae)
カエデ属(Acer)
分布 日本
国内 北海道、本州
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 高木
葉形 単葉(分裂)
葉序 対生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄同株(両性花/雄花)
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