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ハナノキ
Acer pycnanthum

 日本固有種で、岐阜、長野、愛知県の渓谷などの湿地に自生しています。樹高は高いもので25〜30mにもなります。樹皮は灰白色で成木は縦に裂けます。葉の長さは4〜10cmで3つに裂けて先端が尖っていて、葉の裏は白みがかっています。中には裂けていない葉もあります。葉が展開する前の4月に赤色の小さい花を咲かせます。秋の紅葉もきれいです。[1][2][3]

東海丘陵要素

 また、萌芽力があり、人為的伐採や自然災害により幹が切られたり傷つけられたりすると萌芽し、株立ち樹形のハナノキが自生地でもよく見られます。ハナノキの特異性はその生息域です。本州中部地方の3県(岐阜、長野、愛知)にまたがって自生しており、その範囲は狭く、平成23年8月現在、環境省の絶滅危惧種(絶滅危惧II類)にも指定されています。

遠くにいる親戚

 一方で、北アメリカの東部に自生しているアメリカハナノキ(Acer rubrum)、英名 red mapple は、分類学的にハナノキの近縁種とされていて、地球の反対側に近い親戚がいることになります。このような状況にある植物は他にもあります。草本ですが日光白根山に多いことからその名が付いたシラネアオイは近年1科1属1種の日本固有種とされてきました。しかしゲノム解析の結果、北アメリカ東部の Hydrastis 属が近縁種であることがわかっています。ハナノキの名の由来は春の花が美しいことから付けられたと言われています。[4][5][6]

参考文献
  1. 茂木透ら(2009)『樹に咲く花―離弁花(2)(第2版)』山と溪谷社
  2. 上原敬二(1959)『植物大図説』有明書房
  3. 加藤雅啓ら(2011)『日本の固有植物』東海大学出版会
  4. 佐伯いく代(2006)『ハナノキの自然史』「伊那谷自然史論集」7、pp.83-92
  5. Angiosperm Phylogeny Group "Angiosperm Phylogeny Website" (http://www.mobot.org/MOBOT/Research/APweb/),(accessed 2011-9-4)
  6. 林将之(2004)『葉で見わける樹木』小学館

Gallery

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樹形

筑波実験植物園(May 20, 2011)

日本固有種で、岐阜、長野、愛知県の渓谷などの湿地に自生しています。

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樹形(開花時)

筑波実験植物園(Apr. 3, 2011)

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筑波実験植物園(Apr. 3, 2011)

葉が展開する前の4月に赤色の小さい花を咲かせます。

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日光植物園(July 15, 2011)

葉の長さは4〜10cmで3つに裂けて先端が尖っていて、葉の裏は白みがかっています。

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樹皮

筑波実験植物園(Apr. 3, 2011)

樹皮は灰白色で成木は縦に裂けます。

Property
分 類
和名 ハナノキ(花の木)
別名 ハナカエデ
学名 Acer pycnanthum
(Syn. Acer rubrum var. pycnanthum)
ムクロジ目(Sapindales)
ムクロジ科(Sapindaceae)
カエデ属(Acer)
分布 日本
国内 本州
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 高木
葉形 単葉(分裂)
葉序 対生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄異株(単性花)
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