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エゾイタヤ
Acer pictum subsp. mono

 北海道の全域、東北から北陸の日本海沿海と青森、岩手、宮城の太平洋側、また遠く島根県の隠岐島に分布しています。樹高は10〜20mほどになり、樹皮は灰色で縦に深くひび割れます。葉は手のひら状に浅く5〜9裂しますが、中でも7裂が多いようです。その葉はイタヤカエデ類の中で最も均整がとれているように思えます。5月に黄色い花を枝先に咲かせますが、花は小さく葉の展開と同じなので離れて見ると目立ちません。同じ花序に雄しべの退化した両性花と、雄花の両方が付きます。果実は翼果ですが、無毛の翼がへの字に垂れ下がります。[1][2][3]

イタヤカエデ類

 ここではイタヤカエデ類の総称をイタヤカエデと読んでいます。国内には7つの亜種があり、その中でエゾイタヤは和名の通り北海道を中心に自生しています。本州におけるエゾイタヤは細長く沿海地に分布し、場所によっては純林を形成するほど優先している点が他のイタヤカエデ類と異なります。エゾイタヤは環境に適応できる幅が広く、強風が続く沿海地において多種よりも優位に立つと考えられています。林内に生えた木は、太陽光の乏しい状態に置かれるため生長することができません。頭上にある他の高木が寿命や風水害などによって倒れることで陽の光が差し込むのを待ち続けます。それでも待ち続けるのには限界があります。広葉樹よりも針葉樹の方がその限界は長いのですが、落葉広葉樹の中でもエゾイタヤは長く、50年ほど待ち続けることが可能です。[4]

参考文献
  1. 茂木透ら(2009)『樹に咲く花―離弁花(2)(第2版)』山と溪谷社
  2. 林将之(2014)『樹木の葉』山と溪谷社
  3. 猪狩貴史(2010)『カエデ識別ハンドブック』文一総合出版
  4. 渡邊定元(1994)『樹木社会学』東京大学出版会

Gallery

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開花時の樹形

北大苫小牧研究林(May 20, 2018)

北海道の全域、東北から北陸の日本海沿海と青森、岩手、宮城の太平洋側、また遠く島根県の隠岐島に分布しています。

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開花

北大苫小牧研究林(May 20, 2018)

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花序

5月に黄色い花を枝先に咲かせますが、花は小さく葉の展開と同じなので離れて見ると目立ちません。

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果実

果実は翼果ですが、無毛の翼がへの字に垂れ下がります。

その葉はイタヤカエデ類の中で最も均整が整っているように思えます。

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樹皮

北大苫小牧研究林(May 20, 2018)

樹皮は灰色で縦に深くひび割れます。

Property
分 類
和名 エゾイタヤ(蝦夷板屋)
学名 Acer pictum subsp. mono
(Syn. Acer pictum subsp. mono f. mono)
(Syn. Acer pictum var. horizontale)
(Syn. Acer mono var. glabrum)
(Syn. Acer mono)
(Syn. Acer cappadocicum subsp. mono)
(Syn. Acer truncatum subsp. mono)
(Syn. Acer pictum var. mono)
ムクロジ目(Sapindales)
ムクロジ科(Sapindaceae)
カエデ属(Acer)
分布 日本、南千島、サハリン、アムール、朝鮮半島
国内 北海道、本州
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 高木
葉形 単葉(分裂)
葉序 対生
葉縁 全縁
雌雄 雌雄同株(両性花/雄花)
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