モチノキ目 chevron_right モチノキ科 chevron_right モチノキ属 chevron_right タラヨウ
タラヨウ
Ilex latifolia

 本州は静岡県の天龍川より西側、四国、九州で、山地の常緑樹林内に点在して生えています。樹高は10〜20mになりますが、中には20mを越えるものもあります。その樹皮は灰褐色で滑らかです。葉は長さが10〜17cmの楕円形で先が尖り細かい鋸歯があります。肉厚な葉の表側は側脈が見えますが、裏側は側脈が判別できません。5〜6月に黄緑色の小さい花をたくさん咲かせます。雌雄異種ですが、雌花には退化した雄しべが4本あります。雄花は花粉のためか黄色く見えます。11月には直径8mm程度の果実が鈴なりに赤く色づきます。[1][2][3]

葉書の木

 葉の裏側を傷つけると、しばらくしてから黒く変色するので、字を書くこともできます。葉書の木とも呼ばれており、郵便局の片隅に植栽されていることもあります。またタラヨウは耐火性が高いため、昔は家屋などを守るの防火帯としてタラヨウを植栽していたそうです。中国南部では、タラヨウを含む10種の葉から抽出したお茶を苦丁茶と呼び、古来から飲用されているそうです。解熱や解毒、炎症の緩和などの効能があるとのことです。呼び名の通り苦いお茶だそうですが、この苦み成分はタラヨウに含まれるクロロゲン酸を含むカフェ酸誘導体やトリテルペノイドサポニンによるものとされています。[4][5]

参考文献
  1. 林将之(2004)『葉で見わける樹木』小学館
  2. 茂木透ら(2009)『樹に咲く花―離弁花(2)(第2版)』山と溪谷社
  3. 上原敬二(1959)『植物大図説』有明書房
  4. 根岸紀(2007)『苦丁茶の成分と機能性』「日本食生活学会誌」18(1)、pp.25-31
  5. 翠川美穂ら(2009)『タラヨウの当年葉および古葉中のカフェ酸誘導体含量の季節変動』「日本食生活学会誌」20(4)、pp.305-312

Gallery

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樹形

小石川植物園(May 4, 2011)

本州は静岡県の天龍川より西側、四国、九州で、山地の常緑樹林内に点在して生えています。

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小石川植物園(June 10, 2011)

葉は長さが10〜17cmの楕円形で先が尖り細かい鋸歯があります。

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雄花

小石川植物園(May 4, 2011)

5〜6月に黄緑色の小さい花をたくさん咲かせます。

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雄花

小石川植物園(May 4, 2011)

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果実

小石川植物園(Jan. 7, 2012)

11月には直径8mm程度の果実が鈴なりに赤く色づきます。

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果実

小石川植物園(Jan. 7, 2012)

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樹皮

小石川植物園(May 4, 2011)

樹皮は灰褐色で滑らかです。

Property
分 類
和名 タラヨウ(多羅葉)
別名 モンツキシバ
学名 Ilex latifolia
モチノキ目(Aquifoliales)
モチノキ科(Aquifoliaceae)
モチノキ属(Ilex)
分布 日本、中国
国内 本州、四国、九州
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 常緑樹
樹高 高木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 互生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄同株(単性花)
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