モチノキ目 chevron_right モチノキ科 chevron_right モチノキ属 chevron_right クロガネモチ
クロガネモチ
Ilex rotunda

 クロガネモチは関東以西、特に西日本に多く自生し常緑樹林内に生えています。樹高は10mほどですが、中には15mほどになるものもあるようです。樹皮は灰白色で滑らかです。葉は長さが6〜10cmの楕円形で先が尖り細かい全縁です。葉柄には長さ方向に凹みがあり、小枝を含めて紫色を帯びています。6月頃に白〜淡紫色の小さな花を多数咲かせます。雄花には退化した雌しべが、雌花には退化した雄しべがあります。[1][2][3]

 11〜12月には直径6mm程度の果実が赤く色づきます。中庸から陽樹であり、どちらかというと日がよく当たる場所に生えていることが多いです。一方で日の射さない場所でも生育します。クロガネモチの果実は鳥が食べます。その種子は鳥の糞と共に排泄され散布されます。近畿大学奈良キャンパスに植栽されたクロガネモチがどの程度周辺にその生息域を広げているかを調査した報告があります。植栽された個体から50m以内に分布を拡大していたそうです。これは果実を食餌したヒヨドリの一般的な行動範囲(半径150m)と関係しているとしています。[4]

 樹皮からとりもちが採れ、枝や葉柄が紫色を帯びるから、あるいは枯れた葉が鉄色になるためその名が付いたと言われています。

参考文献
  1. 上田恒久ら(2007)『大径古木クロガネモチIlex rotundaの移植:移植の経緯と経過』「樹木医学研究」11(4)、pp.172-173
  2. 茂木透ら(2009)『樹に咲く花―離弁花(2)(第2版)』山と溪谷社
  3. 上原敬二(1959)『植物大図説』有明書房
  4. 西野済ら(2011)『近畿大学奈良キャンパスにおける庭園木クロガネモチの分布』「近畿大学農学部紀要」(44)、pp.17-22

Gallery

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樹形

小石川植物園(Mar. 27, 2011)

クロガネモチは関東以西、特に西日本に多く自生し常緑樹林内に生えています。

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果実

小石川植物園(Jan. 22, 2011)

11〜12月には直径6mm程度の果実が赤く色づきます。

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小石川植物園(Jan. 22, 2011)

葉柄には長さ方向に凹みがあり、小枝を含めて紫色を帯びています。

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樹皮

小石川植物園(Jan. 22, 2011)

樹皮は灰白色で滑らかです。

Property
分 類
和名 クロガネモチ(黒鉄黐)
学名 Ilex rotunda
モチノキ目(Aquifoliales)
モチノキ科(Aquifoliaceae)
モチノキ属(Ilex)
分布 日本、朝鮮半島、中国、台湾
国内 本州、四国、九州、沖縄
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 常緑樹
樹高 高木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 互生
葉縁 全縁
雌雄 雌雄異株(単性花)
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