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ニワトコ
Sambucus racemosa subsp. sieboldiana

 本州から四国、九州、沖縄までの明るい山野に多く生えています。根元で枝分かれしてイチョウの葉のように弓なりに広がり、高さは3〜6mほどになります。葉は奇数羽状複葉で2〜6対の小葉があります。小葉は長さ3~10cmの楕円形で先端が細く尖り、細かい鋸歯があります。樹皮は黒灰色、コルク質で縦に深くひび割れます。直径5mmに満たない白色の小さい花を3~5月に多数咲かせます。6〜8月には直径5mm程度の赤い球形の実ができます。[1][2][3]

薬としての利用

 同種の特徴は、昔から民間薬などとして利用されてきたことです。花や葉、また枝を煎じたものを解熱(発汗)剤や利尿剤などとして飲用したり、枝や幹を煎じて粘度を上げたものや、黒焼きを骨折や傷の部位に塗布して湿布薬として用いていたそうです。赤い実は果実酒に利用する例もあるようです。秋田県大館市にある縄文前期とみられる遺跡で、酒を漉したと考えられる繊維からニワトコの種子が見つかったそうです。ニワトコの実を使って酒を醸造していたのではないかと考えられています。[4]

山菜には注意

 早春のブロッコリーに似た花芽や若芽を天ぷらなどにして食べることもあるようです。ただし、毒性のある青酸配糖体(経口摂取すると青酸が遊離して細胞内呼吸を阻害する、糖に青酸が結合した化合物の総称で、青い梅の実にも一種の青酸配糖体が含まれています)を少し含んでいるため多量に食べないほうがよく、実際に若芽を茹でて水洗いしたものを食したところ腹痛下痢をしたという話もあります。[5][6]

参考文献
  1. 林将之(2004)『葉で見わける樹木』小学館
  2. 茂木透ら(2008)『樹に咲く花―合弁花・単子葉・裸子植物(第3版)』山と溪谷社
  3. 上原敬二(1959)『植物大図説』有明書房
  4. 梁井宏(2000)『日本人はどう酒を飲んできたか』金沢大学教育開放センター紀要, vol.20, pp.33-48
  5. 野口英昭(1995)『静岡県樹木名方言』朝日新聞社
  6. 深津正(1993)『木の名の由来』東京書籍

Gallery

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樹形

小石川植物園(Apr. 17, 2011)

根元で枝分かれしてイチョウの葉のように弓なりに広がり、高さは3〜6mほどになります。

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小石川植物園(June 10, 2011)

葉は奇数羽状複葉で2〜6対の小葉があります。

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冬芽

小石川植物園(Jan. 22, 2011)

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花芽

北の丸公園(Mar. 30, 2011)

直径5mmに満たない白色の小さい花を3~5月に多数咲かせます。

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小石川植物園(Apr. 17, 2011)

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果実

小石川植物園(June 10, 2011)

6〜8月には直径5mm程度の赤い球形の実ができます。

Property
分 類
和名 ニワトコ
別名 セッコツボク(接骨木)
学名 Sambucus racemosa subsp. sieboldiana
(Syn. Sambucus sieboldiana)
マツムシソウ目(Dipsacales)
ガマズミ科(Viburnaceae)
ニワトコ属(Sambucus)
分布 日本、朝鮮半島、中国
国内 本州、四国、九州、沖縄
用途 民間薬
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 低木
葉形 羽状複葉(奇数)
葉序 対生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄同株(両性花)
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