国内では北海道十勝地方の更別村にある更別湿原、同じく根室地方の別海町にある西別湿原に自生しています。
ヤチカンバ
Betula ovalifolia
国内では北海道十勝地方の更別村にある更別湿原、同じく根室地方の別海町にある西別湿原に自生しています。湿原においてスゲ属の株が作る「谷地坊主」の上にヤチカンバは株を作ります。樹高は高くても1〜2mほどにしかなりませんが、2mを超える個体も見つかっています。株立ちして幹を複数出します。葉は長さが1.5~6cmの楕円形で厚みがあり、側脈が4〜6対で鋸歯があります。5月ごろ葉が展開する前に花を咲かせます。雄花序は下に垂れ、雌花序は上を向いて立ちます。円柱形の果穂は7〜9月に成熟します。樹皮は灰白色で横長の皮目があり、枝にはイボ状の腺点が多数見られます。[1]
最終氷期の遺存種
新たに発見された群落もありますが、生育地の状況は悪化しています。周囲の耕作地化による地下水位が低下するなどして更別湿原では乾燥化が進み、ススキやイタドリ、ササやシダ類といった草本が侵入、またヤマナラシも生育しており、湿原とは言えない状態です。更別湿原よりもまだ状態の良い別海町の西別湿原でも実生個体は稀にしか確認できていないそうです。環境省のレッドリスト2020には絶滅危惧ⅠB類(EN)「ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの」に指定されています。ヤチカンバは7万年前〜1万年前にあった最終氷期において広く分布していた遺存種であるとされています。[2][3][4][5]
Gallery
5月ごろ葉が展開する前に花を咲かせます。雄花序は下に垂れ、雌花序は上を向いて立ちます。
円柱形の果穂は7〜9月に成熟します。
葉は長さが1.5~6cmの楕円形で厚みがあり、側脈が4〜6対で鋸歯があります。
樹皮は灰白色で横長の皮目があり、枝にはイボ状の腺点が多数見られます。
周囲の耕作地化による地下水位が低下するなどして更別湿原では乾燥化が進むなど、生育環境は悪化しています。
Property
| 分 類 | |
|---|---|
| 和名 | ヤチカンバ |
| 別名 | ヒメオノオレ、ルクタマカンバ、チャボオノオレ |
| 学名 | Betula ovalifolia (Syn. Betula humilis var. tatewakiana) (Syn. Betula fusenensis) (Syn. Betula fruticosa) (Syn. Betula fruticosa var. ovalifolia) (Syn. Betula fruticosa subsp. ruprechtiana) (Syn. Betula tatewakiana) (Syn. Betula cyclophylla) |
| 目 | ブナ目(Fagales) |
| 科 | カバノキ科(Betulaceae) |
| 属 | カバノキ属(Betula) |
| 分布 | 日本、サハリン、ウスリー、朝鮮半島北部、中国東北部 |
| 国内 | 北海道 |
| 用途 | |
| 特 徴 | |
|---|---|
| 針広 | 広葉樹 |
| 常落 | 落葉樹 |
| 樹高 | 低木 |
| 葉形 | 単葉(不分裂) |
| 葉序 | 互生 |
| 葉縁 | 鋸歯 |
| 雌雄 | 雌雄同株(単性花) |