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アカガシ
Quercus acuta

 山地に多く生え、高さは20mほどになります。葉の長さは8〜20cmですが葉柄が2〜4cmと長めです。カシの中では全縁なのが特徴的です。5〜6月に花が咲き、ヒモが垂れ下がるように雄花序が多数でます。実はドングリで、花が咲いてから2年目の秋に成熟します。樹皮は緑灰黒色ですが、老木になると鱗のようにはがれて橙色や茶色のまだら模様になります。[1][2][3]

 本種は、高木の常緑広葉樹の中でも比較的冷涼な地域で優勢に生育しています。九州では標高300〜1,000mに群落が確認されており、有機態炭素や全窒素などの栄養分が乏しく、土壌が浅く石礫の多い尾根付近といった生育環境としては劣った土地で生えています。また、この地域は雨量が多く、雲霧が多発する地域と重なっていることがわかっています。[4]

材質

 カシと名が付く樹木の中で寒さに強いのは、冬芽や葉が凍結しにくい「耐凍性」が比較的高いためです。本種の細胞は−15℃まで凍らないそうです。材の赤みが強いため、アカガシと呼ばれたといわれています。材は堅く粘りがあり、建築材や器具材など他のカシの仲間と同様、用途は多岐にわたります。材の赤みが重厚に見えて、価格も比較的安価なことから、木刀にはアカガシがよく用いられています。また樹皮を胃薬に用いたという例もあるようです。[5][6][7]

参考文献
  1. 林将之(2004)『葉で見わける樹木』小学館
  2. 茂木透ら(2006)『樹に咲く花―離弁花(1)(第4版)』山と溪谷社
  3. 上原敬二(1959)『植物大図説』有明書房
  4. 岡野哲郎ら(1989)『九州地方におけるアカガシ林の立地環境』「九州大学農学部演習林報告」60、pp.1-16
  5. 渡辺一夫(2009)『イタヤカエデはなぜ自ら幹を枯らすのか』築地書館
  6. 伊東隆夫ら(2011)『日本有用樹木誌』海青社
  7. 野口英昭(1995)『静岡県樹木名方言』朝日新聞社

Gallery

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樹形

小石川植物園(Feb. 20, 2011)

山地に多く生え、高さは20mほどになります。

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樹形

付属自然教育園(Apr. 25, 2010)

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果実

小石川植物園(Nov. 3, 2011)

実はドングリで、花が咲いてから2年目の秋に成熟します。

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小石川植物園(Feb. 20, 2011)

カシの中では全縁なのが特徴的です。

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樹皮

小石川植物園(Feb. 20, 2011)

樹皮は緑灰黒色ですが、老木になると鱗のようにはがれて橙色や茶色のまだら模様になります。

Property
分 類
和名 アカガシ(赤樫)
別名 オオガシ(大樫)、オオバガシ
学名 Quercus acuta
ブナ目(Fagales)
ブナ科(Fagaceae)
コナラ属(Quercus)
分布 日本、朝鮮半島、台湾、中国
国内 本州、四国、九州
用途 建築材、器具材
特 徴
針広 広葉樹
常落 常緑樹
樹高 高木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 互生
葉縁 全縁
雌雄 雌雄同株(単性花)
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