林縁に生え、高木などに巻き付くつる性の落葉樹です。
ツルウメモドキ
Celastrus orbiculatus var. orbiculatus
林縁に生え、高木などに巻き付くつる性の落葉樹です。葉は葉身が4〜10cmの楕円形または倒卵形で鋸歯があり、先端が短く尖ります。樹皮は灰色で、老木になると縦方向に裂け目が生じ、さらには網目模様になります。5〜6月に黄緑色の小さな花を葉腋から咲かせます。当種は雌雄異株で、雌花には退化した5本の雄しべが、雄花には退化した雌しべが確認できます。10〜12月に熟す果実は、黄色く変色した果皮が3つに裂け、中から真っ赤な仮種皮が顔をのぞかせます。本当の種子はこの肉質の仮種皮の中にあります。当種には似た種がいくつかあります。イヌツルウメモドキ(Celastrus orbiculatus var. orbiculatus f. papillosus)は葉の裏の葉脈上に突起毛が密生していて、オニツルウメモドキ(Celastrus orbiculatus var. strigillosus)は脈上に突起毛だけでなく畝上の隆起があります。オオツルウメモドキ(Celastrus stephanotidifolius)は葉の裏の脈上に縮れ毛が密生。テリハツルウメモドキ(Celastrus punctatus)は常緑樹です。[1][2]
つる植物の悲哀
他の樹木や岩といった支持体につる植物が取り付く方法はいくつかあります。茎がらせん状に巻き付く「巻き付き型」、巻きひげで絡みつく「巻きひげ型」、気根などが張り付く「張り付き型」、棘などで引っ掛ける「寄りかかり型」です。当種は巻き付き型で、長く伸ばした茎(探索枝)を空中に旋回させながら他の高木などの支持物を探します。うまく当てれば良いのですが、そこは自然界。外れも多々あります。せっかく伸ばした茎が無駄になることも多く、ツルウメモドキの場合、ある分析では探索枝の実に75%が枯れていたそうです。せっかく他の樹木を利用して陽の光を得られる高い位置まで、省エネでたどり着ける能力を持ったのに、うまくいかないものです。[3][4]
アイヌの人々は、剥いだ当種の樹皮から内皮を取り出し、それを熱湯に浸けてから雪ざらしなら2週間、吊るすだけなら1か月ほど放置し、白い繊維を取り出したそうです。撚った糸は直接肌につける女性用の下帯に用いられた他、弓の弦や荷縄などにも用いられたそうです。黄色い果皮と赤い仮種皮のコントラストに趣があり、現代では生花の秋の花材としてよく利用されます。[5]
Gallery
葉は葉身が4〜10cmの楕円形または倒卵形で鋸歯があり、先端が短く尖ります。
雌花には退化した5本の雄しべが、雄花には退化した雌しべが確認できます。
果実は、黄色く変色した果皮が3つに裂け、中から真っ赤な仮種皮が顔をのぞかせます。本当の種子はこの肉質の仮種皮の中にあります。
樹皮は灰色で、老木になると縦方向に裂け目が生じ、さらには網目模様になります。
Property
| 分 類 | |
|---|---|
| 和名 | ツルウメモドキ(蔓梅擬) |
| 学名 | Celastrus orbiculatus var. orbiculatus (Syn. Celastrus articulatus) |
| 目 | ニシキギ目(Celastrales) |
| 科 | ニシキギ科(Celastraceae) |
| 属 | ツルウメモドキ属(Celastrus) |
| 分布 | 日本、朝鮮半島、中国 |
| 国内 | 北海道、本州、四国、九州、沖縄 |
| 用途 | |
| 特 徴 | |
|---|---|
| 針広 | 広葉樹 |
| 常落 | 落葉樹 |
| 樹高 | つる性 |
| 葉形 | 単葉(不分裂) |
| 葉序 | 互生 |
| 葉縁 | 鋸歯 |
| 雌雄 | 雌雄異株(単性花) |