高木に巻きついて登る個体もあれば、地面をはう個体もあります。
クロヅル
Tripterygium regelii
本州の日本海側、四国や九州の山地に自生しているつる性の木本です。高木に巻きついて登る個体もあれば、地面をはう個体もあります。葉は葉身が5〜15cmの楕円形か卵形で、葉先は突き出ていて、葉縁全体に鈍い鋸歯があります。7〜8月には円錐花序に多数の小さな花を咲かせます。緑白色の花弁がいずれも5枚ある両性花と雄花が混成しています。花序を見る限りどれもこれも両性花に見えますが、両性花は花柱が長く雄しべが5本あり、一方の雄花は退化した花柱が短く雄しべが4本もしくは5本です。また花柄には細かい毛があります。9〜10月に熟す果実の形状が特徴的で、3枚の羽を持つ淡い緑色の翼果がクロヅルの識別を容易にしてくれます。この翼果には紅く色付くものもあります。木質化した若い枝の樹皮は赤褐色ですが、年を経ると灰褐色〜灰色になって縦に裂けます。[1][2]
ジテルペノイド
中国から台湾には近縁のタイワンクロヅル(Tripterygium wilfordii)が自生していて、その根を加工した生薬は関節リウマチ、慢性肝炎、アトピー性皮膚炎などに有効であるとされています。生物活性を示すことの多い植物性のジテルペノイドの1つであるトリプトリドが主成分です。トリプトリドは抗腫瘍、免疫抑制、抗炎症といった効果があることがわかっています。トリプトリド自体はかなり毒性が強く、経口投与によるネズミの最小致死量は、あるSDSによると2.4mg/kg。人間の体重(70kg)に換算すると、たったの0.168gです。薬も過ぎれば毒となる、ということでしょうか。葉の裏が白いものをウラジロクロヅル(Tripterygium regelii f. hypoleucum)。南九州に自生していて、葉が細めでやや小さく花柄に毛が無いものをコバノクロヅル(Tripterygium doianum)と呼びます。東日本のタイプと比較して、葉の先端が細長く尖り、果実が大きい西日本のタイプをサイゴククロヅル(Tripterygium regelii var. occidentαle)と呼ぶ見方もあります。[3][4]
Gallery
葉は葉身が5〜15cmの楕円形か卵形で、葉先は突き出ていて、葉縁全体に鈍い鋸歯があります。
7〜8月には円錐花序に多数の小さな花を咲かせます。
中央が雄花、上は両性花
9〜10月に熟す果実の形状が特徴的で、3枚の羽を持つ淡い緑色の翼果がクロヅルの識別を容易にしてくれます。
木質化した若い枝の樹皮は赤褐色ですが、年を経ると灰褐色〜灰色になって縦に裂けます。
Property
| 分 類 | |
|---|---|
| 和名 | クロヅル(黒蔓) |
| 別名 | ベニヅル |
| 学名 | Tripterygium regelii (Syn. Tripterygium regelii var. occidentale) (Syn. Tripterygium wilfordii) (Syn. Tripterygium wilfordii var. regelii) |
| 目 | ニシキギ目(Celastrales) |
| 科 | ニシキギ科(Celastraceae) |
| 属 | クロヅル属(Tripterygium) |
| 分布 | 日本、朝鮮半島、中国 |
| 国内 | 本州、四国、九州 |
| 用途 | |
| 特 徴 | |
|---|---|
| 針広 | 広葉樹 |
| 常落 | 落葉樹 |
| 樹高 | つる性 |
| 葉形 | 単葉(不分裂) |
| 葉序 | 互生 |
| 葉縁 | 鋸歯 |
| 雌雄 | 雌雄同株(両性花) |