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ツルシキミ
Skimmia japonica var. intermedia f. repens

 日本海側などの多雪地帯にある林床に自生しています。基本種であるミヤマシキミの積雪に適応した変種です。ミヤマシキミと違って匍匐してから幹が立ち上がる性質を持ち、樹高は30〜50cmほど。葉は基本種にそっくりですが、大きさが小さ目で4〜8cmほどです。枝はしなって折れにくくなっています。樹皮は灰白色ですが、若い枝が濃い緑色をしているためその色が残っている幹もあります。葉の先端には鋸歯のような窪みがあり、また葉の裏には多数の油点が見え、ミカン科に分類されるのもうなずけます。4枚の白い花弁からなる径が1cmほどの小さな花は5〜6月ごろ枝先に咲きます。雄花には4本の雄しべが、雌花には退化した4本の雄しべ、その中央に雌しべがあります。花弁の裏側や花柄、花序の茎、葉柄は赤紫色を帯びます。10月〜12月に熟す果実は鮮やかな赤色です。[1][2]

毒性

 蔓のように幹をはわせてシキミのような葉を持つことからその名がついたと考えられていますが、シキミと名がつく通り、当種は全株、特に葉と果実に痙攣毒があるとされています。また赤い果実を果実酒にしたり、子供が食べて中毒を起こした例があるそうです。成分はアルカロイドのスキミアニンジクタムニン、クマリン配糖体のスキムミンです。ミヤマシキミほど毒性は強くないという話もありますが、残念ながら食べたことのない私にはよくわかりません。ニホンジカはこれを食せず、群生地ができてしまっているとの話もありますが、食べているという論文もあり、絶対に食べないというわけでもないようです。[3][4][5]

スキミアニン(C1413NO4

ジクタムニン(C129NO2

スキムミン(C15168

参考文献
  1. 林将之(2014)『樹木の葉』山と溪谷社
  2. 茂木透ら(2009)『樹に咲く花―離弁花(2)(第2版)』山と溪谷社
  3. 太田達男ら(1956)ツルシキミの果実の成分』「YAKUGAKU ZASSHI」76(4), pp.463-464
  4. 富田真雄ら(1958)『ミカン科植物アルカロイド研究(第3報)』「YAKUGAKU ZASSHI」78(10), pp.1180-1183
  5. 橋本佳延ら(2014)『日本におけるニホンジカの採食植物・不嗜好性植物リスト』「人と自然」25, pp.133-160

Gallery

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樹形(雌花開花時)

山形市千歳山(Apr. 21, 2024)

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樹形

北大植物園(Aug. 31, 2019)

匍匐してから幹が立ち上がっているのがわかります。

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群落(開花時)

山形市千歳山(Apr. 21, 2024)

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樹形

吾妻山系藤十郎(June 20, 2021)

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山形市千歳山(Jan. 14, 2023)

花弁の裏側や花柄、花序の茎、葉柄は赤紫色を帯びます。

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雄花

5〜6月ごろ枝先に花を咲かせます。

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油点

多数の油点が見えます。

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果実

南蔵王前山(Sep. 20, 2021)

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果実

山形市千歳山(Sep. 28, 2024)

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果実

10月〜12月に熟す果実は鮮やかな赤色です。

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樹皮

山形市千歳山(Apr. 21, 2024)

樹皮は灰白色です。

Property
分 類
和名 ツルシキミ(蔓櫁)
別名 ツルミヤマキシミ
学名 Skimmia japonica var. intermedia f. repens
(Syn. Skimmia repens)
(Syn. Skimmia japonica var. repens)
(Syn. Skimmia japonica subsp. repens)
ムクロジ目(Sapindales)
ミカン科(Rutaceae)
ミヤマシキミ属(Skimmia)
分布 日本、サハリン、南千島
国内 北海道、本州、四国、九州
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 常緑樹
樹高 低木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 互生
葉縁 全縁
雌雄 雌雄異株(単性花)
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