本州から九州までの山地や丘陵の谷地にある薮や林内に自生しています。
コクサギ
Orixa japonica
本州から九州までの山地や丘陵の谷地にある薮や林内に自生しています。樹高は高くても5m程度で株立ちし、また群落を形成することがよくあります。葉は中心よりも先端側が幅広くなった倒卵形で先端は尖り、表は光沢があって、裏の脈には細かい毛が密生しています。4〜5月には黄緑色の花が咲きますが、雄花は総状花序で5〜15個ほど、雌花は枝から直接1個だけ開花します。7〜10月に熟す半円状の果実の中には球状に近く黒褐色の種子が1つ入っており、内果皮ごと種子を弾き出して散布します。樹皮は灰白色から灰褐色で皮目があり、生長すると縦にひびが入ります。[1][2]
コクサギ型葉序
当種の葉のつき方は特徴的です。一種の互生ではあるのですが、右左右左と1つずつではなく、右左左右右左左のように2つずつ交互に枝に付き、これをコクサギ型葉序と呼びます。コクサギ型葉序という言葉を用いたのは、ドクウツギの古赤道分布説を提唱した植物学者の前川文夫です。論文の中で、葉のついた枝が点になるようにして真上から除くと葉の位置が90度ずつずれている、つまり十字状になっていると述べています。枝のいちばん根元側にある葉から順番に見ていきます。葉1(右)を0度の位置として固定すると、葉2(左)は時計方向で180度、第3葉(左)は90度、第4葉(右)270度、第5葉(右)になって0度に戻ります。これが繰り返されていくというものです。この葉序は進化の過程で生じたものとの考えもありましたが、数理モデルによる研究が進められてきました。陽の光を効率よく利用するため葉と葉の間が離れるようにする仕組みが植物には備わっています。葉が形成される初期の器官を葉原基と呼びますが、この葉原基が他の葉原基の発生を抑制する(植物ホルモンを吸い上げて他に与えない)力を持つことで葉と葉の間を離すことができます。この抑制力を時間変化(徐々に強く)させることで、コクサギ型葉序が生じることが数理モデルで確認されました。[3][4]
アルカロイド
過去には、コクサギの葉を煎じた液が便所のウジ殺しに用いられていました。これは含有しているアルカロイドであるオリキシン、コクサギン、スキミアニンなどによるものと考えられます。このアルカロイドが含まれる葉を食草としているのがアゲハチョウ科のカラスアゲハ、オナガアゲハです。コクサギには特定のチョウに作用する産卵刺激物資と産卵阻害物質があり、そのためカラスアゲハ等だけがコクサギを食草にしているそうです。クサギのように臭いが小さいことからコクサギと名付けられたと考えられていますが、葉をもむと柑橘類の香りがしつつも何か変な臭いという風に私は感じました。[5]
Gallery
葉は中心よりも先端側が幅広くなった倒卵形で先端は尖り、表は光沢があって、裏の脈には細かい毛が密生しています。
右左左右右左左のように2つずつ交互に枝に付きます。
4〜5月には黄緑色の花が咲きますが、雄花は総状花序で5〜15個ほど、雌花は枝から直接1個だけ開花します。
7〜10月に熟す半円状の果実の中には球状に近く黒褐色の種子が1つ入っており、内果皮ごと種子を弾き出して散布します。
樹皮は灰白色から灰褐色で皮目があり、生長すると縦にひびが入ります。
Property
| 分 類 | |
|---|---|
| 和名 | コクサギ(小臭木) |
| 学名 | Orixa japonica (Syn. Orixa japonica f. velutina) (Syn. Orixa japonica f. glabrifolia) |
| 目 | ムクロジ目(Sapindales) |
| 科 | ミカン科(Rutaceae) |
| 属 | コクサギ属(Orixa) |
| 分布 | 日本、朝鮮半島、中国 |
| 国内 | 本州、四国、九州 |
| 用途 | |
| 特 徴 | |
|---|---|
| 針広 | 広葉樹 |
| 常落 | 落葉樹 |
| 樹高 | 低木 |
| 葉形 | 単葉(不分裂) |
| 葉序 | 互生 |
| 葉縁 | 全縁(鋸歯) |
| 雌雄 | 雌雄異株(単性花) |