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サンショウ
Zanthoxylum piperitum

 北海道から九州までの山地の林内や林縁、特に湿潤で半日影な土地に自生しています。樹高は高いもので5mほどになり、樹皮は灰褐色で凸凹があり、枝には棘が対生してつきます。よく似た同属のイヌザンショウは棘が互生し、この違いで区別することができます。葉は奇数羽状複葉で葉軸には小葉が5~9対つきます。小葉は長さ1〜4cmの卵型で先が尖り、鋸歯があります。円錐花序の小さい花が4~5月に咲き、雄花は黄色くて目立ちますが、雌花は目立ちません。9〜10月には赤褐色に果実が熟し、裂開して光沢のある黒い種子が出てきます。[1][2]

和食の薬味として

 サンショウの未熟の果実は実山椒として佃煮やちりめん山椒に、果皮を細かくした粉山椒はうなぎの蒲焼などに振りかけて臭み消しの薬味に、葉は色々な和食の薬味に、幹はすりこ木にと、和食には欠かせない樹木です。この辛味成分は、サンショオール、ヒドロキシサンショオール、サンショアミド。香り成分としてリモネン、フェランドレン、シトロネラールなどが含まれています。葉の鋸歯の凹みにはミカン科によく見られる油点(または油胞とも呼ばれる)があり、ここに香り成分が溜まっています。料理に添える前にサンショウの葉を両手で挟むようにして叩くのは、この油点を潰して香りを出すための行為です。[3][4]

栽培品種

 昔より人に利用されてきたサンショウには、いくつかの品種があります。江戸時代から珍重されてきた棘がなく栽培しやすい「アサクラザンショウ」、果実が大粒な「ブドウザンショウ」、果実が小ぶりで香りの良い「タカハラサンショウ」が代表的な品種です。材は薄黄色を帯びており、学名の「Zanthoxylum」は黄色い材、「piperitum」はコショウのようなという意味です。

参考文献
  1. 林将之(2014)『樹木の葉』山と溪谷社
  2. 茂木透ら(2009)『樹に咲く花―離弁花(2)(第2版)』山と溪谷社
  3. 伊東隆夫ら(2011)『日本有用樹木誌』海青社
  4. 平尾章(2014)『野山の花 —身近な山野草の食効・薬効— サンショウ』「New Food Industry」61(1), pp.58-61
  5. 森上信夫ら(2007)『昆虫の食草・植樹ハンドブック』文一総合出版

Gallery

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樹形

軽井沢植物園(Aug. 17, 2011)

湿潤で半日影な土地に自生しています。

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樹形

アポイ岳(May 29, 2016)

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軽井沢植物園(Aug. 17, 2011)

葉は奇数羽状複葉で葉軸には小葉が5~9対つきます。

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雄花

アポイ岳(May 29, 2016)

円錐花序の小さい花が4~5月に咲き、雄花は黄色くて目立ちますが、雌花は目立ちません。

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雌花

宮城県深山(Apr. 30, 2021)

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雄花

宮城県五社山(May 4, 2021)

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果実

9〜10月には赤褐色に果実が熟し、裂開して光沢のある黒い種子が出てきます。

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未熟果

軽井沢植物園(Aug. 17, 2011)

枝には棘が対生してつきます。よく似た同属のイヌザンショウは棘が互生します。

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樹皮

軽井沢植物園(Aug. 17, 2011)

樹皮は灰褐色で凸凹があります。

Property
分 類
和名 サンショウ(山椒)
別名 ハジカミ
学名 Zanthoxylum piperitum
ムクロジ目(Sapindales)
ミカン科(Rutaceae)
サンショウ属(Zanthoxylum)
分布 日本、朝鮮半島、中国
国内 北海道、本州、四国、九州
用途 薬味
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 低木
葉形 羽状複葉(奇数)
葉序 互生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄異株(単性花)
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