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ホオノキ
Magnolia obovata

 日本固有種で北海道(南千島を含む)から九州まで、日本海側から太平洋側まで山や里山に広く生えています。ホオノキは成長が速く、高さは20m以上、太さは1m以上にもなります。中には30mにもなる大木もあります。ホオノキの特徴は、その葉の大きさです。卵の形に似ていて長さが30~40cmと、人の顔が隠れてしまうぐらい大きい葉です。葉が展開した後の5~6月に咲く黄白色で芳香のある花も20cm近くになるぐらい大きくなります。樹皮は灰白色で平滑ですが、イボ状の丸い皮目が目立ちます。果実は長楕円形の集合果で、9〜11月に赤く熟します。[1][2][3][4]

近交弱勢を防ぐ仕組

 本種は両性花ですが、雌しべが機能した後に雄しべが機能する雌性先熟です。開花は3〜5日間ですが、初日の開花は雌花の役割を、いったん花を閉じた後の2日目以降の開花は雄花の役割を果たします。これは自家受粉による近交弱勢(劣性有害遺伝子が発現する)を防ぐためのものです。ところが同種は自身の花を一斉に咲かせるのではなく、ばらばらに咲かせます。そのため同じ木の別の花同士で受粉する例が多く、実際にそのような種子は、生長できずに枯れることが多いそうです。[5][6]

 稚樹は耐陰性があり、光を遮っていた周りの木が枯れる等してギャップが形成されると、勢い良く生長し、林冠を確保しようとします。また萌芽力も旺盛で株立ち状態の個体を見ることができます。生長が早い分だけ寿命はそれほど長くなく、200年ほどと言われています。

朴葉味噌

 材は軟らかくて加工しやすく、狂いが少ないです。彫刻、お椀やお皿などに利用されます。葉は昔、お皿として使用されていました。また今でも朴葉寿司や朴葉味噌といった料理を包むときに利用されています。[7]

参考文献
  1. 林将之(2004)『葉で見分ける樹木』小学館
  2. 茂木透ら(2009)『樹に咲く花―離弁花(1)(第4版)』山と溪谷社
  3. 上原敬二(1959)『植物大図説』有明書房
  4. 加藤雅啓ら(2011)『日本の固有植物』東海大学出版会
  5. 日本樹木誌編集委員会(2009)『日本樹木誌(1)』日本林業調査会
  6. 渡辺一夫(2009)『イタヤカエデはなぜ自ら幹を枯らすのか』築地書館
  7. 伊東隆夫ら(2011)『日本有用樹木誌』海青社

Gallery

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樹形

多摩森林科学園(Apr. 29, 2010)

日本固有種で北海道(南千島を含む)から九州まで、日本海側から太平洋側まで山や里山に広く生えています。

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冬芽

多摩森林科学園(Mar. 19, 2011)

葉は卵の形に似ていて長さが30~40cmと、人の顔が隠れてしまうぐらい大きい葉です。

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多摩森林科学園(June 19, 2010)

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筑波実験植物園(May 20, 2011)

5~6月に咲く黄白色で芳香のある花は20cm近くになるぐらい大きいものです。

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果実

筑波実験植物園(Sep. 23, 2011)

果実は長楕円形の集合果で、9〜11月に赤く熟します。

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樹皮

多摩森林科学園(Apr. 29, 2010)

樹皮は灰白色で平滑ですが、イボ状の丸い皮目が目立ちます。

Property
分 類
和名 ホオノキ(朴の木)
別名 ホガシワ
学名 Magnolia obovata
(Syn. Magnolia hypoleuca)
モクレン目(Magnoliales)
モクレン科(Magnoliaceae)
モクレン属(Magnolia)
分布 日本
国内 南千島、北海道、本州、四国、九州
用途 家具材、下駄材、郷土料理(朴葉料理)
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 高木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 互生
葉縁 全縁
雌雄 雌雄同株(両性花)
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