本州の秋田県から滋賀県までの日本海側の山地に自生している日本固有種です。
ユキツバキ
Camellia rusticana
本州の秋田県から滋賀県までの日本海側の山地に自生している日本固有種です。広葉樹林の下層に生育していることが多く、樹高は2mほどで株立ちしやすく、樹皮は灰白色で滑らかです。常緑の葉は表面が光沢していますがヤブツバキよりも薄く、また鋸歯は細く尖っていて細鋸歯状のヤブツバキと異なります。4〜5月に枝先から咲く赤い花は5つの花弁が平開する傾向にあります。根元で合着している花糸は薄黄色で、色が白いヤブツバキと明確に異なります。花柱は先端で3裂していますが、中には5裂しているものもあります。果実は9〜10月に熟して裂開し、茶褐色の種子が中から落ちます。ただし、ヤブツバキに比較して結実率が低いそうです。[1][2][3]
日本海要素と生態
当種は、エゾユズリハ、ヒメモチ、ハイイヌツゲ等に代表される日本海要素の1つです。日本海要素とは、多雪地帯である日本海側に自生地の中心がある植物で、多雪条件に適応したと考えられています。ヤブツバキに比較して耐寒性や耐乾性が弱く、冬季間を雪に埋もれることで自らを守っています。ユキツバキは積雪1,5m以上の豪雪地帯に生育しており、3〜5か月を雪の下で暮らしますが、そうなると光合成している時間的余裕がないのではと心配です。面白いことに雪に埋もれたユキツバキの葉は、炭素の消費が著しく低く、生理活性を維持し続けることができるそうです。冬の間のユキツバキは深い雪に押されて幹や枝が地を這うことも多く、また土に埋もれることもあります。ここから発根し、発芽することで栄養繁殖するのが特徴的です。そのため、見た目は別々の個体に見えるものの、遺伝的にはクローンであったとする例が多く見られるようです。そのため、ユキツバキは自家不和合性の傾向が高いものの、周りにクローンが多いこともあって、ヤブツバキに比較して結実率が低いというのも理解できます。[4][5][6]
Gallery
常緑の葉は表面が光沢していますがヤブツバキよりも薄く、また鋸歯は細く尖っていて細鋸歯状のヤブツバキと異なります。
4〜5月に枝先から咲く赤い花は5つの花弁が平開する傾向にあります。
果実は9〜10月に熟して裂開し、茶褐色の種子が中から落ちます。
樹皮は灰白色で滑らかです。
Property
| 分 類 | |
|---|---|
| 和名 | ユキツバキ(雪椿) |
| 別名 | オクツバキ、サルイワツバキ、ハイツバキ |
| 学名 | Camellia rusticana (Syn. Camellia japonica var. rusticana) (Syn. Camellia japonica var. decumbens) (Syn. Camellia japonica subsp. rusticana) |
| 目 | ツツジ目(Ericales) |
| 科 | ツバキ科(Theaceae) |
| 属 | ツバキ属(Camellia) |
| 分布 | 日本 |
| 国内 | 本州 |
| 用途 | |
| 特 徴 | |
|---|---|
| 針広 | 広葉樹 |
| 常落 | 常緑樹 |
| 樹高 | 低木 |
| 葉形 | 単葉(不分裂) |
| 葉序 | 互生 |
| 葉縁 | 鋸歯 |
| 雌雄 | 雌雄同株(両性花) |