樹高は10mに満たない小高木で、横に枝が伸びやすく、横に広がった樹形になります。
クサギ
Clerodendrum trichotomum var. trichotomum
北海道から沖縄まで、先駆樹種である当種は山地の林縁などといった陽当たりのよい場所に自生しています。樹高は10mに満たない小高木で、横に枝が伸びやすく、横に広がった樹形になります。樹皮は灰白色から灰色で皮目が多く、老木になると縦に裂けやすくなります。葉は、葉身が5〜15cmの広卵形で、葉縁は全縁ですが、若い木の葉には鈍い鋸歯があります。葉柄だけでなく枝にも毛が生えていて、葉の表や裏、葉縁、特に脈状にも毛があります。閉じたままのま萼から付き出る紫紅色の花筒が長く、その先に花弁が5裂する白い花が7〜9月に咲きます。10〜11月に熟す果実は直径が6〜7mmある藍色の球形です。果実の手前には紫紅色の萼があり、藍色と紫紅色のコントラスが特徴的です。[1][2]
雄性先熟
ある個体において花粉を出す時期と、柱頭が活性化して花粉がつく時期が時間的にずれることを雌雄異熟といいます。クサギはこれに該当するのですが、順番が先に雄性期、次に雌性期となる雄性先熟です。この雄性期と雌性期の違いがぱっと見では分かりませんが、雄しべと雌しべの向きに注目すると判別することができます。クサギの花は雄しべが4本と雌しべを1本持つ両性花です。いずれも花冠より突き出ていて目立ちます。雌しべには、元側が白く先が緑色になった細い花柱があり、雄しべには花粉の詰まった葯が先端についています。まず雄性期は、葯を持った雄しべが上を向き、雌しべが下に垂れています。次の雌性期になると花粉を放出済みの雄しべは下を向き、逆に柱頭が2つに分裂して受粉の準備が整った雌しべが上を向きます。大型の蝶や蛾が訪花しますが、クサギは雄性期に花蜜を大きく増加させて花粉を付着させようと誘引しているそうです。
運命の木
中国では生薬としてクサギの葉や茎、根を用いているそうです。降圧や鎮静作用の薬効がありリウマチや高血圧向けに煎じて飲用されるとのこと。主成分はクサギ属の学名(Clerodendrum)「Cleros(運命)の Dendron(樹木)」がついたセスキテルペンのクレロデンドリンAとクレロデンドリンB、アロエにも含まれているアントラキノノイドのアロエエモジンなどです。和名が臭木となったのは枝や葉をちぎると異臭がするため。ただしこの匂いの感じ方は個人差があるらしく、嗅いだ葉の片割れを臭いからとすぐに捨て去る人もいれば、ピーナッツやピーナッツバターのような香ばしい匂いと表現する人もいます。クサギ属は、ムラサキシキブ属と同様に同じシソ目のクマツヅラ科からシソ科へとAPG分類体系で移動しました。クサギの果実は藍以外では珍しい青系の草木染めに、若葉は山菜として利用されることもあるようです。[3]
Gallery
葉身が5〜15cmの広卵形で、葉縁は全縁ですが、若い木の葉には鈍い鋸歯があります。
葉の表や裏、葉縁、特に脈状にも毛があります。
葉柄だけでなく枝にも毛が生えています。
花弁が5裂する白い花が7〜9月に咲きます。
先に雄性期、次に雌性期となる雄性先熟です。
果実は直径が6〜7mmある藍色の球形です。
樹皮は灰白色から灰色で皮目が多いです。
Property
| 分 類 | |
|---|---|
| 和名 | クサギ(臭木) |
| 学名 | Clerodendrum trichotomum var. trichotomum |
| 目 | シソ目(Lamiales) |
| 科 | シソ科(Lamiaceae) |
| 属 | クサギ属(Clerodendrum) |
| 分布 | 日本、朝鮮半島、中国 |
| 国内 | 北海道、本州、四国、九州、沖縄 |
| 用途 | |
| 特 徴 | |
|---|---|
| 針広 | 広葉樹 |
| 常落 | 落葉樹 |
| 樹高 | 小高木 |
| 葉形 | 単葉(不分裂) |
| 葉序 | 対生 |
| 葉縁 | 全縁/鋸歯 |
| 雌雄 | 雌雄同株(両性花) |