樹高は10mほどですが、中には30mに達するものもあります。
オニグルミ
Juglans mandshurica var. sachalinensis
北海道から九州までの川沿いやくぼ地に生育しています。樹高は10mほどですが、中には30mに達するものもあります。冬場から春の樹形を見ると分かるように、分枝が少なく枝が太くて武骨な感じを受けます。冬芽は褐色の短い毛に覆われ、そばにある葉痕はT字型で羊の顔にも見えます。葉は5〜9対の奇数羽状複葉で、小葉は大きい物だと20cmほどになるぐらい大きいです。葉の展開と同時期の5〜6月に雌花序と雄花序を別々に咲かせます。雌花序は新枝の先に直立して赤い雌花を咲かせ、雄花序は前年枝の葉腋から垂れ下って咲かせます。果実は大きさが3〜4cmの卵形の堅果で、それを肉質になった花床(複数の花を着ける広がった部分)が包んでいます。9〜10月に熟します。樹皮は暗灰色で縦に裂けます。[1]
材は艶があり木理が美しく均質で狂いが少ないこと、衝撃への吸収性が高くて割れ目ができにくく加工がしやすいこと、また磨くと光沢が出るといった性質から家具材や工芸材、建築物の内装材として使われています。過去には銃床に使用されていました。[2][3]
小動物と種の繁殖
果実は熟すと落下し、果皮が黒く変色して腐ってきます。果実は古くから食用とされており、縄文時代の遺跡からはオニグルミが数多く出土しています。食用部分は子葉です。リスやアカネズミの好物で、これが同種の種子拡散に大きな影響を与えています。ある実験によると種子の96%が食べられたもののアカネズミやリスによって分散貯蔵された種子が実生として確認されたとのことです。発芽率も70〜80%と高く、生き残った種子が少くても確実に発芽できることで繁殖することができるのです。[4][5][6]
ユグロン(juglone)
葉や未熟果の果皮に触れるとかぶれることがあります。芳香族化合物の一種であるユグロンが原因物資です。この物質は水生生物にも強い毒性を示すため、同種の樹皮や根を川に浸けることで魚を浮かせて捕まえる漁が過去に行なわれていました。ユグロンは他の植物に対して成長阻害効果を持つアレロパシーでもあります。クルミの木の下には他の植物が育たないと昔から言われてきました。実際にオニグルミと混植したニセアカシアの初期生長が50%疎外されたという実験結果もあります。オニグルミは陽樹であり稚樹の生長量も大きく、アレロパシーで他の種を抑制しながら優位につく樹木です。[7][8][9]
Gallery
葉は5〜9対の奇数羽状複葉で、小葉は大きい物だと20cmほどになるぐらい大きいです。
葉の展開と同時期の5〜6月に雌花序と雄花序を別々に咲かせます。
実は大きさが3〜4cmの卵形の堅果で、それを肉質になった花床が包んでいます。
樹皮は暗灰色で縦に裂けます。
Property
| 分 類 | |
|---|---|
| 和名 | オニグルミ(鬼胡桃) |
| 別名 | ホングルミ |
| 学名 | Juglans mandshurica var. sachalinensis (Syn. Juglans sieboldiana) (Syn. Juglans mandshurica var. sieboldiana) (Syn. Juglans mandshurica subsp. sieboldiana) (Syn. Juglans ailanthifolia) |
| 目 | ブナ目(Fagales) |
| 科 | クルミ科(Juglandaceae) |
| 属 | クルミ属(Juglans) |
| 分布 | 日本、サハリン |
| 国内 | 北海道、本州、四国、九州 |
| 用途 | |
| 特 徴 | |
|---|---|
| 針広 | 広葉樹 |
| 常落 | 落葉樹 |
| 樹高 | 高木 |
| 葉形 | 羽状複葉(奇数) |
| 葉序 | 互生 |
| 葉縁 | 鋸歯 |
| 雌雄 | 雌雄同株(単性花) |