キンポウゲ目 chevron_right キンポウゲ科 chevron_right センニンソウ属 chevron_right コミヤマハンショウヅル
コミヤマハンショウヅル
Clematis alpina subsp. ochotensis var. fauriei

 北東北の亜高山帯の林縁などに自生しているツル性植物です。日本固有種で、茎の一部が木質化することからここでは木本としていますが、草本類の多年草、また半木本に分類する場合もあります。葉は三出複葉です。三出複葉とは3つの小葉を持つ複葉のことで、複葉の中心軸である葉軸が発達していないため特に三出掌状複葉とも呼ばれます。当種は三出複葉が1回だけの一回三出複葉です。小葉は長さが3〜8cmで深い鋸歯があり、先が尖ります。6〜8月、赤みがかった紫色の花を下向きに咲かせますが、花弁に見える紫色のものは花弁でなく萼です。4〜5枚ある萼片の長さは2〜4cmで先が尖ります。萼の内側にあって白〜薄紫色の多少幅のあるヘラのような形のものが本当の花弁です。その内側には薄緑色の雄しべが見えます。いずれも白く細かい毛に覆われていて、萼の縁が白く見えます。果実は9〜10月に熟しますが、その形状は、ご家庭で植えられる園芸植物の代表でもある多年草クレマチスのそれにそっくりです。クレマチスはセンニンソウ属で、コミヤマハンショウヅルと同属なのです。伸びた花柱に白い毛が生えて羽毛状となり、種子は風に乗って散布されます。[1][2][3]

ミヤマハンショウヅルとの違い

 当種によく似たものにミヤマハンショウヅル(Clematis alpina subsp. ochotensis var. fusijamana)があります。よくよく見てもそっくりで、同じ種ではないかと疑ってしまうほどです。その違いは、ミヤマハンショウヅルの葉が二回三出複葉であること。三出複葉が2回繰り返されるのです。コミヤマハンショウヅルは枝から左右に出る葉柄の先に3枚の小葉がついて終わりですが、ミヤマハンショウヅルは葉柄の先から3つの小葉柄が出て、それぞれに小葉が3枚、つまり1つの葉柄から合計で9枚の小葉が付きます。火事などを知らせるために鳴らされていた小型の釣鐘である「半鐘(はんしょう)」が花の形に似ていて、深山に自生しているのでその名が付きました。

参考文献
  1. 清水建美(2002)『高山に咲く花』山と溪谷社
  2. 梅沢俊(2009)『北海道の高山植物(新版)』北海道新聞社
  3. 加藤雅啓ら(2011)『日本の固有植物』東海大学出版会

Gallery

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樹形

八甲田山(July 22, 2023)

北東北の亜高山帯の林縁などに自生しているツル性植物です。

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樹形

岩手県姫神山(July 1, 2023)

枝から左右に出る葉柄の先に3枚の小葉がつく一回三出複葉です。

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八甲田山(July 22, 2023)

赤みがかった紫色の花を下向きに咲かせますが、花弁に見える紫色のものは花弁でなく萼です。

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岩手県姫神山(July 1, 2023)

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岩手県姫神山(July 1, 2023)

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岩手県姫神山(July 1, 2023)

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果実

秋田駒ヶ岳(Sep. 3, 2023)

伸びた花柱に白い毛が生えて羽毛状となり、種子は風に乗って散布されます。

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果実

岩手県姫神山(July 23, 2023)

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つる性の茎

秋田駒ヶ岳(Sep. 3, 2023)

Property
分 類
和名 コミヤマハンショウヅル(小深山半鐘蔓)
学名 Clematis alpina subsp. ochotensis var. fauriei
(Syn. Clematis ochotensis var. ternata)
(Syn. Clematis ochotensis var. japonica f. fauriei)
(Syn. Clematis ochotensis var. fauriei)
(Syn. Clematis alpina subsp. ochotensis var. fusijamana f. fauriei)
キンポウゲ目(Ranunculales)
キンポウゲ科(Ranunculaceae)
センニンソウ属(Clematis)
分布 日本
国内 本州
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 つる性
葉形 三出複葉
葉序 対生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄同株(両性花)
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