アオイ目 chevron_right アオイ科 chevron_right シナノキ属 chevron_right シナノキ
シナノキ
Tilia japonica

 九州から北海道までの山地、特に寒い地方に生えています。日本固有種と記載する例もあるようですが、中国にも自生しているそうです。高さは20m程度ですが、中には40m近くになる大木もあるようです。 葉は長さ4〜10cmの心円型、先の尖ったハート型です。また左右不相称です。脈腋には淡褐色の短い毛がまとまってが生えています(これを毛叢と言います)。葉は秋に黄色に色づきます。樹皮は暗灰色または灰褐色で縦に亀裂が入り、浅く裂けます。[1][2][3]

蜜源植物

 小さな淡い黄色の花が6~7月に咲きます。レモンに似た甘酸っぱい香りのする花からは質の良いハチミツがとれることから、ミツバチが蜜をとる花として利用されています。レンゲやニセアカシアの蜂蜜に比較するとハーブのような香りが強い蜂蜜です。開花時には蝶やハナバチなどが群がってくるほどです。特徴的なのは花序の柄に付いている、カップのアイスクリームに付属する細長い木製のヘラのような総苞葉です。同属にそのものずばりの「ヘラノキ」と呼ばれる種があります。果実は堅果で、10月ごろに熟しますが、総苞葉も最後まで残って一緒に落下します。竹とんぼのようになって風に乗って遠くまで散布することが可能になります。[4]

古来から利用

 シナノキの材は平均気乾比重0.50で柔らかくて加工がしやすいことから割りばしや彫刻にも利用されます。ただし耐朽性は低めです。 古くは木の皮から繊維を取り出して、それから布を作り、服などを作っていました。今でも「しなおり(しな織り)」と呼ばれ山形県鶴岡市などに残っています。[5][6]

参考文献
  1. 林将之(2004)『葉で見分ける樹木』小学館
  2. 茂木透ら(2009)『樹に咲く花―離弁花(2)(第2版)』山と溪谷社
  3. 上原敬二(1959)『植物大図説』有明書房
  4. 岡田一次(1981)『シナノキとシナ蜜』「ミツバチ科学」2(3)、pp.113-114
  5. 伊東隆夫ら(2011)『日本有用樹木誌』海青社
  6. 福岡イト子(1995)『アイヌ植物誌』草風館

Gallery

zoom_in

樹形

多摩森林科学園(May 8, 2010)

高さは20m程度ですが、中には40m近くになる大木もあるようです。

zoom_in

樹形(開花時)

旭川市(July 17, 2012)

zoom_in

北の丸公園(June 14, 2011)

葉は長さ4〜10cmの心円型で葉は左右不相称、先の尖ったハート型です。脈腋には淡褐色の短い毛がまとまってが生えています。

zoom_in

若葉

北の丸公園(Apr. 21, 2011)

zoom_in

北の丸公園(June 14, 2011)

小さな淡い黄色の花が6~7月に咲きます。開花時には蝶やハナバチなどが群がってきます。カップのアイスクリームに付属する細長い木製のヘラのような総苞葉が花柄に付いています。

zoom_in

果実

北の丸公園(Oct. 6, 2011)

果実は堅果で10月ごろに熟し、総苞葉も最後まで残って一緒に落下します。

zoom_in

樹皮

日光植物園(May 15, 2010)

古くは木の皮から繊維を取り出して、それから布を作り、服などを作っていました。

zoom_in

幹の断面

東大北海道演習林森林資料館(June 6, 2012)

材は平均気乾比重0.50で柔らかくて加工がしやすいことから割りばしや彫刻にも利用されます。

Property
分 類
和名 シナノキ(科の木)
学名 Tilia japonica
アオイ目(Malvales)
アオイ科(Malvaceae)
シナノキ属(Tilia)
分布 日本、中国
国内 北海道、本州、四国、九州
用途 器具材、繊維、蜜源植物
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 高木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 互生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄同株(両性花)
Search
Family