カツラ
Cercidiphyllum japonicum
北海道から九州の渓谷や河畔に生えています。大きいものは高さ約30mにまで生長します。樹皮は暗灰褐色で縦に裂け、剥がれやすくなります。3〜5月、葉の展開する前に花弁の無い花が咲きます。[1][2][3]
その代わり500年程度と寿命が長いため、子孫を残す機会が多く得られます。それを可能にしているのが萌芽です。萌芽をしているカツラを良く見ますが、主幹が枯れたとしても萌芽がその代わりを果たすことで生きながらえるのです。[4][5]
材はやわらかくて加工しやすく、また狂いが少なく加工した後の表面がきれいなので、楽器や彫刻に利用されたり、また碁や将棋の盤に使われたりしています。アイヌは丸木舟に幹の大きなカツラを用いたそうです。ちなみに北海道に蘭越町、また同千歳市にも蘭越という地名がありますが、アイヌ語でランコ(カツラ)ウシイ(群生するところ)が語源だそうです。[6][7]
香の木
葉は長さ4〜8cmでハート形をしています。秋にはこの葉がきれいな黄色に色づきます。この黄色い葉からは、しょうゆのような、砂糖をこがしたカラメルのような香りがします。そこから「かづ(香出)」がカツラという名前の元になったといわれています。また、夏から秋にかけて採った葉を乾かし、それを粉にしてお香を作るので、「コウノキ(香の木)」とも呼ばれています。弱いが寿命は長い
カツラは渓谷などの河畔域で見掛けることの多い樹木です。土壌の露出した場所でないと発芽した実生は根を張れず、枯れてしまいます。さらに1年目の実生個体は乾燥に弱く、かといって耐陰性が強いわけでもないため、シオジやサワグルミといった競合種よりも弱く、限られた場所でしか大きな個体になれないようです。その代わり500年程度と寿命が長いため、子孫を残す機会が多く得られます。それを可能にしているのが萌芽です。萌芽をしているカツラを良く見ますが、主幹が枯れたとしても萌芽がその代わりを果たすことで生きながらえるのです。[4][5]
材はやわらかくて加工しやすく、また狂いが少なく加工した後の表面がきれいなので、楽器や彫刻に利用されたり、また碁や将棋の盤に使われたりしています。アイヌは丸木舟に幹の大きなカツラを用いたそうです。ちなみに北海道に蘭越町、また同千歳市にも蘭越という地名がありますが、アイヌ語でランコ(カツラ)ウシイ(群生するところ)が語源だそうです。[6][7]
Gallery
Cercidiphyllum japonicum
樹形
小石川植物園
Taken on Apr. 25, 2010
北海道から九州の渓谷や河畔に生えています。大きいものは高さ約30mにまで生長します。
冬芽
小石川植物園
Taken on Jan. 22, 2011
雄花
3〜5月、葉の展開する前に花弁の無い花が咲きます。
葉
小石川植物園
Taken on Apr. 25, 2010
葉は長さ4〜8cmでハート形をしています。秋にはこの葉がきれいな黄色に色づきます。
落葉
日光植物園
Taken on Oct. 31, 2010
樹皮
小石川植物園
Taken on Apr. 25, 2010
樹皮は暗灰褐色で縦に裂け、剥がれやすくなります。
萌芽枝
小石川植物園
Taken on Feb. 20, 2011
萌芽をしているカツラを良く見ますが、主幹が枯れたとしても萌芽がその代わりを果たすことで生きながらえるのです。
萌芽
根室
Taken on July 1, 2011
主幹が折れた個体
支笏湖
Taken on June 23, 2013
Property
Cercidiphyllum japonicum
分 類 | |
和名: | カツラ(桂) |
学名: | Cercidiphyllum japonicum |
目: | ユキノシタ目(Saxifragales) |
科: | カツラ科(Cercidiphyllaceae) |
属: | カツラ属(Cercidiphyllum) |
分布: | 日本、朝鮮半島、中国 |
国内分布: | 北海道、本州、四国、九州 |
用途: | 家具材、碁盤、将棋盤 |
特 徴 | |
針葉/広葉: | 広葉樹 |
常緑/落葉: | 落葉樹 |
樹高: | 高木 |
葉形: | 単葉(不分裂) |
葉序: | 対生 |
葉縁: | 鋸歯 |
雌雄: | 雌雄異株(単性花) |