日本の固有種で本州の近畿地方から北、北海道日本海側の河川敷、原野、岩礫地といった日当りの良い場所に生えています。
ドクウツギ
Coriaria japonica
日本の固有種で本州の近畿地方から北、北海道日本海側の河川敷、原野、岩礫地といった日当りの良い場所に生えています。大きくても樹高は1~2mほど。葉は長さ6~16cmの細長い楕円形で先にいくほど細くなり、葉柄がほとんどなく全縁です。1本の枝に15〜18対の葉を出します。枝の脇から花序を出し、雄しべや雌しべを突き出した花弁が1mmしかない多数の花を4~5月に咲かせます。花が枯れた後も雄しべはしばらく残ります。花が終わるとこの小さな花弁が大きくなり種子を包みこんで偽果となり、本当の果実はこの中にあります。偽果の色は最初紅色ですが、熟すと黒紫色になります。樹皮は褐色で皮目が多く見られます。[1][2][3]
日本三大有毒植物
ドクウツギの特色は、トリカブト、ドクゼリと並ぶ日本三大有毒植物の1つに挙げられるその毒です。ドクウツギ全体に、いずれも神経毒であるコリアミルチン、ツチン、コリアリンを含んでいます。誤食すると目まいや頭痛、重症になると全身麻痺、昏睡し死に至ります。特に果実は毒性が強いのですが、それを包んでいる熟した偽果(肥大化した花弁の部分)には甘みがあります。戦前は、年間300件あった植物による中毒死のうち、ドクウツギによるものが10%あったそうです。見た目もおいしそうで事実甘いため、これを食べた子どもが死に至った事故が多かったのも納得できます。名の由来はその名の通り毒から付けたようで、別名でイチロベゴロシとも呼ばれるように方言名にもその毒性に由来するものが多いです。[4][5]
不思議な分布
同種を含むドクウツギ属は世界各地に分布しており、地中海、ヒマラヤ、中国、日本、台湾、フィリピン、パプアニューギニア、ニュージーランド、ペルー、チリなどに見られます。しかしこれら地域は連続していません。日本の植物学者の前川文夫は古赤道分布説を提唱し、元々赤道付近に帯状に分布していたドクウツギ属が赤道の移動に伴う環境変化によって、一部の地域で絶滅し隔離分布するに至ったと考えました。これはドクウツギ属が被子植物の中でもかなり古くに分化したと考えられていたためでもあります。ところが近年の分子系統学の発展によって、かなり新しい時期に分化したことがわかりました。系統樹の最初の方にあるキンポウゲ目ドクウツギ科から後方のウリ目ドクウツギ科へと大移動したのです。これによって古赤道分布説は否定され、種子が長距離分散したものと考えられるそうですが、どうやって分散したのかはまだ明確になっていないようです。[6]
Gallery
枝の脇から花序を出し、花弁が1mmしかなく雄しべや雌しべが突き出た多数の花を4~5月に咲かせます。
花が終わるとこの小さな花弁が大きくなり種子を包みこんで偽果となります。本当の果実は中にあります。
葉は長さ6~16cmの細長い楕円形で先にいくほど細くなり、葉柄がほとんどなく全縁です。
Property
| 分 類 | |
|---|---|
| 和名 | ドクウツギ(毒空木) |
| 別名 | イチロベゴロシ |
| 学名 | Coriaria japonica |
| 目 | ウリ目(Cucurbitales) |
| 科 | ドクウツギ科(Coriariaceae) |
| 属 | ドクウツギ属(Coriaria) |
| 分布 | 日本 |
| 国内 | 北海道、本州 |
| 用途 | |
| 特 徴 | |
|---|---|
| 針広 | 広葉樹 |
| 常落 | 落葉樹 |
| 樹高 | 低木 |
| 葉形 | 単葉(不分裂) |
| 葉序 | 対生 |
| 葉縁 | 全縁 |
| 雌雄 | 雌雄同株(単性花) |