樹高が30cmにも満たない常緑樹です。
ヤブコウジ
Ardisia japonica
山地の林内に自生している樹高が30cmにも満たない常緑樹です。草本にも見えますが、枝は立派に木質化しています。3〜4枚の葉が輪生状につき、大きいものだと葉身が13cmほど。葉縁に細かい棘があります。7〜8月に葉腋から下向きに白い、または桃色がかった花を咲かせます。腺点のある花冠は5裂し、長く突き出た花柱が目立ちます。10〜11月ごろに赤く熟す果実は直径が5〜6mmで、その様はさくらんぼを想像するような形状です。果実は翌年の春まで残ることもあります。[1][2]
多様なヤブコウジ属
ヤブコウジ属は450から1,000種あるとされており、多種多様な樹種があります。フィリピンやインドネシアに自生している「Ardisia copelandii」は樹高が35mに達すします。巨木になるのですが、花の大きさは13mm、果実の直径は6mmと、ヤブコウジとほとんど変わらないのが面白いところです。サンプル177種を用いた分子系統解析において分岐群(クレード)が大きく2つ存在することがわかってきています。[3]
縁起木「十両」
邪気払いや金運、長寿などをもたらすとされる縁起木と言われる木々があります。中でも、一両(アリオドシ)、十両(ヤブコウジ)、百両(カラタチバナ)、千両(センリョウ)、万両(マンリョウ)、億両(ミヤマシキミ)の序列が有名です。いずれも冬に赤い実をつける植物です。万葉集にヤブコウジを詠んだ歌があります。大伴家持による「この雪の消残る時にいざ行かな山橘の実の照るも見む」です。現代語訳にすると「この雪が消えないうちに、さあ行こうではないか。山橘の実が雪に輝くのを見にいこう」といったところでしょうか。宴席の友を誘った一首だそうです。山橘はヤブコウジのこと。ヤブコウジが隠れるほどには積もっていない雪からのぞくヤブコウジの赤い実が輝く様が脳裏に浮かぶ詩です。
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| 分 類 | |
|---|---|
| 和名 | ヤブコウジ(藪柑子) |
| 別名 | ジュウリョウ(十両)、ヤマタチバナ |
| 学名 | Ardisia japonica (Syn. Bladhia japonica) |
| 目 | ツツジ目(Ericales) |
| 科 | サクラソウ科(Primulaceae) |
| 属 | ヤブコウジ属(Ardisia) |
| 分布 | 日本、朝鮮半島、中国、台湾 |
| 国内 | 北海道、本州、四国、九州 |
| 用途 | |
| 特 徴 | |
|---|---|
| 針広 | 広葉樹 |
| 常落 | 常緑樹 |
| 樹高 | 小低木 |
| 葉形 | 単葉(不分裂) |
| 葉序 | 互生 |
| 葉縁 | 鋸歯 |
| 雌雄 | 雌雄同株(両性花) |