高いものだと樹高は10mほどになります。
リョウブ
Clethra barbinervis
北海道南部から九州まで、丘陵から山地の尾根など乾いた土地に自生しています。高いものだと樹高は10mほどになり、株立ちにもなります。庭木としてよく植えられるサルスベリのように樹皮が剥がれ落ち、灰褐色、薄い桃色や橙色などからなるまだら模様になります。枝先に集まってつく葉は、短かく先の尖った倒卵形で鋭い鋸歯があります。裏側の主脈には毛が目立ちます。枝先から花序を出して6〜8月に多数の白い花を咲かせます。5枚の花弁は先端が少し凹み、5枚の萼と花柄には白い軟毛が密生しています。1本の雌しべと10本の雄しべがあり、雌蕊の先端は3つに分かれています。花柱が残る果実は朔果で、10月ごろに熟します。[1][2]
重金属耐性と内生菌
リョウブは蛇紋岩地帯や鉱山跡地など重金属を多く含有する土壌でも生育できる樹種です。特にNi(ニッケル)やCo(コバルト)、Zn(亜鉛)を高濃度に葉中に集積させていることがわかっています。面白いのは葉の先端にCoが、葉縁にNiが分布していたそうです。また枝や細根はZn、Cu(銅)、Pb(鉛)の濃度が高いという報告もあります。鉱山跡地には重金属が土壌に多く含まれ、また酸性であるため溶出しやすい状態にあります。重金属による環境ストレス耐性には、植物そのものが耐性を得た種と内生微生物によって獲得した種があると考えられています。内生菌とは宿主の体内で生息している菌のことで、通常は植物と共生しているものの病原性を発現させることもあります。根の組織内に生息しているのが内生菌根菌です。この内生菌がなく重金属濃度の高い土壌環境下でリョウブの生育が著しく阻害されることが実験によって確認されました。一方で内生菌のある環境では必須栄養元素であるK(カリウム)が吸収され、細根での重金属濃度が低下していました。これらのことから内生菌によってリョウブは重金属耐性を獲得していると考えられるとのことです。[3][4]
かて飯
お米の消費を抑えるため、雑穀や野菜、海藻などの食品を米に混ぜて炊いた飯を「かて飯」と呼びますが、リョウブの新芽と若葉が昔より用いられてきました。特に西日本で利用されてきたようです。おひたしや和え物にしたり、そのまま天ぷらとして食すこともあるようです。救荒食糧として重要だった同種を平安時代ごろ田畑の単位面積ごとに植えるよう官令が発せられたため、その名がついたのではないかと考えられています。[5][6]
Gallery
リョウブの新芽と若葉が昔より食材として用いられてきました。
枝先に集まってつく葉は、短かく先の尖った倒卵形で鋭い鋸歯があります。
裏側の主脈には毛が目立ちます。
6〜8月に多数の白い花を咲かせます。
花柱が残る果実は朔果で、10月ごろに熟します。
樹皮が剥がれ落ち、灰褐色、薄い桃色や橙色などからなるまだら模様になります。
Property
| 分 類 | |
|---|---|
| 和名 | リョウブ(令法) |
| 別名 | リョウボ、サルダメシ、ハタツモリ |
| 学名 | Clethra barbinervis (Syn. Clethra barbinervis var. stolonifera) (Syn. Clethra barbinervis var. kawadana) |
| 目 | ツツジ目(Ericales) |
| 科 | リョウブ科(Clethraceae) |
| 属 | リョウブ属(Clethra) |
| 分布 | 日本、朝鮮半島、中国、台湾 |
| 国内 | 北海道、本州、四国、九州 |
| 用途 | 食用(若芽)、器具材 |
| 特 徴 | |
|---|---|
| 針広 | 広葉樹 |
| 常落 | 落葉樹 |
| 樹高 | 小高木 |
| 葉形 | 単葉(不分裂) |
| 葉序 | 互生 |
| 葉縁 | 鋸歯 |
| 雌雄 | 雌雄同株(両性花) |