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テイカカズラ
Trachelospermum asiaticum var. asiaticum

 林内や林縁、また岩場に自生しています。ツル性で幼樹の多くは地面をはい、他の木本の幹を捕まえると吸着するかのように気根を出して幹に取り付き、上へと伸びていきます。地面をはっている個体の葉は小さく脈沿いに白っぽい斑が入ります。一方で樹や岩を登っている個体の葉は長さ3〜10cmと大きく斑はありません。花冠が2〜3cmの白い花を5〜6月に咲かせます。花弁が5裂したその形はまるでプロペラかスクリューです。ジャスミンに似た甘い香りがし、開花から日が経つと黄変します。果実は15〜25cmの細長い袋果で、2本対になって垂れ下がります。12〜1月ごろ熟した袋果が裂開して中から綿毛(冠毛)をもった種子が現れ、風に乗って飛んでゆきます。[1][2]

 テイカカズラにはいくつかの変種があります。本州近畿地方から沖縄に自生している葉の裏に毛が密生したケテイカカズラ(Trachelospermum jasminoides var. pubescens)。九州南部から沖縄に自生している花冠が1.5cmと小さいオキナワテイカカズラ(Trachelospermum asiaticum var. liukiuense)。地面をはっている個体の葉に斑が入らないものをチョウジカズラ(Trachelospermum asiaticum var. majus)と呼びます。

毒に注意

 テイカカズラ属の名を冠したリグナン配糖体のトラチェロシドには強心作用があり、摂取すると呼吸抑制や心毒性が現れ、また強い下痢を引き起こします。日本では古くから鑑賞されていたようです。平安時代に編纂された古今和歌集に「み山には あられ降るらし と山なる まさきのかづら 色づきにけり」という読み人知らずの和歌があります。この「まさきのかづら(真拆の葛)」は本種であると考えられています。室町時代に作られた「定家」という能楽があります。平安時代末から鎌倉時代に歌道で活躍した小倉百人一首の撰者でもある藤原定家。その定家死後の執念が、愛していた式子内親王の墓に蔦葛となって絡みつき内親王を成仏できなくするという、まさしく毒々しい愛欲のお話です。この蔦葛がテイカカズラ(定家葛)の名の由来であるとされています。

トラチェロシド(C273412

参考文献
  1. 茂木透ら(2008)『樹に咲く花―合弁花・単子葉・裸子植物(第3版)』山と溪谷社
  2. 上原敬二(1959)『植物大図説』有明書房

Gallery

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樹形

宮城県深山(June 13, 2021)

林内や林縁、また岩場に自生しています。

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樹形

宮城県深山(June 13, 2021)

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宮城県深山(June 13, 2021)

樹や岩を登っている個体の葉は長さ3〜10cmあります。

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葉の裏

宮城県深山(Dec. 20, 2020)

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幼木の葉

宮城県深山(Dec. 11, 2021)

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紅葉

宮城県深山(June 13, 2021)

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宮城県深山(June 13, 2021)

花冠が2〜3cmの白い花を5〜6月に咲かせます。

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宮城県深山(June 13, 2020)

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宮城県深山(June 13, 2021)

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種子

宮城県深山(Dec. 11, 2021)

12〜1月ごろ熟した袋果が裂開して中から綿毛(冠毛)をもった種子が現れ、風に乗って飛んでゆきます。

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種子

宮城県深山(Dec. 11, 2021)

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果実

宮城県深山(Oct. 30, 2021)

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気根

宮城県深山(Dec. 11, 2021)

他の木本の幹を捕まえると吸着するかのように気根を出して幹に取り付き、上へと伸びていきます。

Property
分 類
和名 テイカカズラ(定家葛)
別名 マサキノカズラ
学名 Trachelospermum asiaticum var. asiaticum
(Syn. Trachelospermum asiaticum var. intermedium)
(Syn. Trachelospermum asiaticum var. glabrum)
(Syn. Trachelospermum asiaticum var. oblanceolatum)
リンドウ目(Gentianales)
キョウチクトウ科(Apocynaceae)
テイカカズラ属(Trachelospermum)
分布 日本、朝鮮半島
国内 本州、四国、九州
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 常緑樹
樹高 つる性
葉形 単葉(不分裂)
葉序 対生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄同株(両性花)
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