クスノキ目 chevron_right クスノキ科 chevron_right ニッケイ属 chevron_right ヤブニッケイ
ヤブニッケイ
Cinnamomum tenuifolium

 南東北地方から沖縄まで、耐潮性が強く主に沿海地に生え、高さは20mにもなります。西日本ではありふれた珍しくない木です。樹皮は灰黒色で皮目がめだちません。葉は長さが7〜10cmで表面はつやがあります。ヤブニッケイの葉は、葉脈がつけ根近くから3本に分かれて先端に向かって並ぶ「三行脈」となるのが特徴です。同属のクスノキにも見られますが、ヤブニッケイは両側葉脈の2本が途中で消えます。[1][2]

カカオの代替品

 6月に淡い黄緑色の小さな花が咲き、秋に黒紫色の楕円形の果実がつきます。戦時中、輸入に依存していたカカオが手に入りにくくなりました。ヤブニッケイの種子から搾取した油がカカオ脂と同様に体温に近い温度で溶けることから、その代用に使われたそうです。「ヤブ」と名が付きますが、葉や樹皮がニッケイほど香りが強くないのでヤブと、またニッケイに似ていて薮に生えているのでヤブと呼ばれたとも言われています。また燈油に用いられたことからアブラダモとも呼ばれています。[3]

参考文献
  1. 茂木透ら(2006)『樹に咲く花―離弁花(1)(第4版)』山と溪谷社
  2. 上原敬二(1959)『植物大図説』有明書房
  3. 諸戸北郎(1903)『大日本有用樹木効用編』嵩山房

Gallery

zoom_in

樹形

多摩森林科学園(Apr. 29, 2010)

南東北地方から沖縄まで、耐潮性が強く主に沿海地に生え、高さは20mにもなります。

zoom_in

萌芽

鹿児島大学植物園(Feb. 25, 2013)

zoom_in

多摩森林科学園(Apr. 29, 2010)

ヤブニッケイの葉は、葉脈がつけ根近くから3本に分かれて先端に向かって並ぶ「三行脈」となるのが特徴です。

zoom_in

筑波実験植物園(Apr. 3, 2011)

zoom_in

樹皮

多摩森林科学園(Apr. 29, 2010)

樹皮は灰黒色で皮目がめだちません。

Property
分 類
和名 ヤブニッケイ(薮肉桂)
別名 クロダモ、アブラダモ
学名 Cinnamomum tenuifolium
クスノキ目(Laurales)
クスノキ科(Lauraceae)
ニッケイ属(Cinnamomum)
分布 日本、中国
国内 本州、四国、九州、沖縄
用途 建築材、器具材
特 徴
針広 広葉樹
常落 常緑樹
樹高 高木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 互生(亜対生)
葉縁 全縁
雌雄 雌雄同株(両性花)
Search
Family