キントラノオ目 chevron_right トウダイグサ科 chevron_right アカメガシワ属 chevron_right アカメガシワ
アカメガシワ
Mallotus japonicus

 山野の日当りの良いところによく生えています。道路の法面や公園、場所によっては都心の公園などにも雑草の様に生えてくることが多いです。高さは15mほどにもなり、樹皮は灰褐色で縦に浅く筋が入って網目模様状になります。特徴的なのは葉で、その長さが7〜20cmと大きく、先端が尖る卵形あるいは浅く3つに分裂します。秋の黄葉もきれいです。また葉柄も5〜20cmと長く、また赤味を帯びています。雌雄異株で、6〜7月に薄黄色の小さい花が穂状に集まって咲きます。直径8mm程度の果実ができ、9〜10月にはその中から4mm程度の黒い種子が3〜4個でてきます。[1][2][3]

先駆種

 アカメガシワは、土砂崩れや伐採、火災といった撹乱が起きた場所でいち早く発芽して生長する先駆種(パイオニア・ツリー)です。種子は数十年も休眠することができ、山火事時の高温に曝されると発芽し、強い直射日光を浴びて他の樹種よりも早く急成長します。そのため気乾比重が0.52と材は軽く、寿命も30年程度と長くありません。またおもしろいことに、本体の幹が何かしらの原因で直射日光を遮られたり伐採される等した場合、横に浅く伸びた根から新たに発芽し生長します。これを根萌芽と呼びます。[4][5]

生薬などへの利用

 樹皮は「赤芽柏」と称する生薬として胃酸過多や胃潰瘍に用いられています。指標成分はベルゲニンで、便秘薬としても用いられています。原木はヒラタケの榾木として使われますが、実際にアカメガシワの倒木にはよくアラゲキクラゲ、エノキタケ、ヒラタケといった食用のキノコが生えていることが多いそうです。アカメガシワの名の由来は、新芽が赤く、カシワの葉と同様に食事をこの葉の上に盛ったためと言われています。別名のゴサイバ(五菜葉)、サイモリバ(菜盛葉)も同様な意味です。[6]

ベルゲニン(C14169

参考文献
  1. 林将之(2004)『葉で見わける樹木』小学館
  2. 茂木透ら(2006)『樹に咲く花―離弁花(2)(第2版)』山と溪谷社
  3. 上原敬二(1959)『植物大図説』有明書房
  4. 渡辺一夫(2010)『アセビは羊を中毒死させる』築地書館
  5. 木下尚子ら(2004)『山火事跡地における先駆木本類の発芽・定着特性』「日本緑化工学会誌」30(1)、pp.336-339
  6. 大野弘美ら(2005)『アカメガシワエキスが便秘傾向にある成人女性の排便に及ぼす影響』「日本食品化学学会誌」12(2)、pp.93-99

Gallery

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樹形

筑波実験植物園(Sep. 23, 2011)

道路の法面や公園、場所によっては都心の公園などにも雑草の様に生えてくることが多いです。

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筑波実験植物園(Sep. 23, 2011)

特徴的なのは葉で、その長さが7〜20cmと大きく、先端が尖る卵形あるいは浅く3つに分裂します。

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筑波実験植物園(Sep. 23, 2011)

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雄花

小石川植物園(June 26, 2011)

雌雄異株で、6〜7月に薄黄色の小さい花が穂状に集まって咲きます。

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果実

筑波実験植物園(Sep. 23, 2011)

直径8mm程度の果実ができ、9〜10月にはその中から4mm程度の黒い種子が3〜4個でてきます。

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樹皮

小石川植物園(Mar. 27, 2011)

樹皮は灰褐色で縦に浅く筋が入って網目模様状になります。

Property
分 類
和名 アカメガシワ(赤芽柏)
別名 ゴサイバ、サイモリバ
学名 Mallotus japonicus
キントラノオ目(Malpighiales)
トウダイグサ科(Enphorbiaceae)
アカメガシワ属(Mallotus)
分布 日本、朝鮮半島、中国
国内 本州、四国、九州、沖縄
用途 器具材、榾木
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 低木
葉形 単葉(分裂/不分裂)
葉序 互生
葉縁 全縁
雌雄 雌雄異株(単性花)
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