ガリア目 chevron_right ガリア科 chevron_right アオキ属 chevron_right ヒメアオキ
ヒメアオキ
Aucuba japonica var. borealis

 北海道南西部から本州の日本海側、主に林内に自生している日本の固有種です。根本から幹は匍匐していたり斜上していて直立しておらず、また樹高は低く、1m程度です。樹皮ははじめ緑色で、やがて縦に裂けながら灰褐色となります。表面に光沢があり厚みのある葉は、楕円形で大きいものだと16cmほどになり、先の尖った鋸歯が見られます。3〜5月に咲く小さな花は紫褐色で、雌花と雄花がありますが、雄花には退化した雌しべがあるものの雌花には雄しべがありません。果実は楕円形で1〜5月に赤く熟します。花が咲くのと果実が熟す時期が重なっているため、赤い果実の隣で雌花が咲いていることもままあります。[1][2][3]

積雪地帯に順応した種

 基準変種であるアオキ(Aucuba japonica var. japonica)に比較して樹高が低くて匍匐し、葉が小さめで鋸歯が少ないなどの違いがあります。この特徴は、多雪地帯で積雪に適応したものです。つまり日本海要素の1つです。冬季の積雪による重さ、また陽の光の少なさにも耐えられるよう、生育地を北上させたアオキから進化したと考えられています。赤く色づいた果実は鳥についばまれますが、ヒヨドリが食すことが多いようです。ヒヨドリは一定の地域で暮らす「留鳥」、また国内を季節ごとに移動する「漂鳥」でもあります。「漂鳥」が渡るには膨大なエネルギーが必要なため、春に残存している貴重なヒメアオキの実を利用しているとのこと。実際にヒヨドリの糞から採取されたヒメアオキの種子は発芽できる状態にあり、ヒヨドリがヒメアオキの種子の散布者になっていると推定されています。[4][5]

参考文献
  1. 茂木透ら(2009)『樹に咲く花―離弁花(2)(第2版)』山と溪谷社
  2. 林将之(2014)『樹木の葉』山と溪谷社
  3. 加藤雅啓ら(2011)『日本の固有植物』東海大学出版会
  4. 渡辺一夫(2010)『アセビは羊を中毒死させる』築地書館
  5. Yoichiro TAKANOSE et. al (2003) " Fruiting of fleshy-fruited plants and abundance of frugivorous birds: Phenological correspondence in a temperate forest in central Japan", Ornithol. Sci., 2, pp.25–32

Gallery

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樹形

山形県高館山(Apr. 1, 2023)

北海道南西部から本州の日本海側、主に林内に自生している日本の固有種です。

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樹形(右雄、左雌)

山形県高館山(Mar. 19, 2023)

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山形県高館山(Mar. 19, 2023)

表面名に光沢があり厚みのある葉は、楕円形で大きいものだと16cmほどになり、先の尖った鋸歯が見られます。

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葉の裏

山形県三吉山(Jan. 22, 2023)

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雌花

山形県高館山(Apr. 1, 2023)

3〜5月に咲く小さな花は紫褐色で、雌花と雄花がありますが、雄花には退化した雌しべがあるものの雌花には雄しべがありません。

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雌花

山形県高館山(Apr. 1, 2023)

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雄花

山形県高館山(Apr. 1, 2023)

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雄花

山形県高館山(Apr. 1, 2023)

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山形県高館山(Mar. 19, 2023)

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果実

山形県高館山(Mar. 19, 2023)

果実は楕円形で1〜5月に赤く熟します。

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未熟果

山形県高館山(June 4, 2023)

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果実

山形県高館山(Mar. 19, 2023)

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果実と雌花

山形県高館山(Apr. 1, 2023)

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樹皮

山形県高館山(Mar. 19, 2023)

樹皮ははじめ緑色で、やがて縦に裂けながら灰褐色となります。

Property
分 類
和名 ヒメアオキ(姫青木)
学名 Aucuba japonica var. borealis
(Syn. Aucuba japonica var. borealis f. angustifolia)
(Syn. Spiraea chamaedryfolia var. pubescens)
ガリア目(Garryales)
ガリア科(Garryaceae)
アオキ属(Aucuba)
分布 日本
国内 北海道、本州
用途
特 徴
針広 広葉樹
常落 常緑樹
樹高 低木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 対生
葉縁 鋸歯
雌雄 雌雄異株(単性花)
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