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イヌビワ
Ficus erecta

 関東地方から沖縄まで沿海地に生えています。樹高は3〜5mになり、樹皮は灰白色で滑らかです。葉は長さが8〜20cmの楕円形で先端が尖ります。落葉した後の枝には托葉痕が目立ちます。頂芽は特徴的な形をしており、筆のように先のとがったのが葉芽で、その横にある丸い芽が花芽です。[1][2][3]

 ビワと名が付きますが果物のイチジクの仲間です。イチジクと同様、花嚢(かのう)と呼ばれる実のようなものの内側に多くの小さい花が4〜5月に咲きます。10〜11月に花嚢が黒紫色に熟します。雄株と雌株があり、熟した雌株の花嚢は甘く食べられます。江戸時代の1709年に、当時の植物学者であった貝原益軒が刊行した植物図鑑である「大和本草」に記述されているイチジクとは、このイヌビワのことだとする説もあります。

共生関係

 イヌビワコバチというコバチが雄株の花嚢の中にあるおしべの花粉をつけ、雌株のめしべに受粉することで種子ができます。イヌビワコバチがいないとイヌビワは種子を作れず、イヌビワが無いとイヌビワコバチは子孫を残すことができない共生関係にあります。[4]

参考文献
  1. 林将之(2004)『葉で見分ける樹木』小学館
  2. 茂木透ら(2006)『樹に咲く花―離弁花(1)(第4版)』山と溪谷社
  3. 上原敬二(1959)『植物大図説』有明書房
  4. 渡辺一夫(2009)『イタヤカエデはなぜ自ら幹を枯らすのか』築地書館

Gallery

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樹形

多摩森林科学園(June 19, 2010)

関東地方から沖縄まで沿海地に生えています。

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冬芽

小石川植物園(Mar. 5, 2011)

関東地方から沖縄まで沿海地に生えています。

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枝(托葉痕)

小石川植物園(Mar. 27, 2011)

落葉した後の枝には托葉痕が目立ちます。

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雄花嚢

多摩森林科学園(June 19, 2010)

ビワと名が付きますが果物のイチジクの仲間です。

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小石川植物園(May 4, 2011)

葉は長さが8〜20cmの楕円形で先端が尖ります。

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樹皮

多摩森林科学園(June 19, 2010)

樹皮は灰白色で滑らかです。

Property
分 類
和名 イヌビワ(犬枇杷)
別名 イタビ
学名 Ficus erecta
バラ目(Rosales)
クワ科(Moraceae)
イチジク属(Ficus)
分布 日本、済州島
国内 本州、四国、九州、沖縄
用途 食用(雌花嚢)
特 徴
針広 広葉樹
常落 落葉樹
樹高 小高木
葉形 単葉(不分裂)
葉序 互生
葉縁 全縁
雌雄 雌雄異株(単性花)
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