樹高は20mにもなって横に枝を広げます。
エノキ
Celtis sinensis
丘陵から山地にかけて日当たりが良く乾燥しにくい土地に自生しています。河畔林にもよく見ることができます。江戸時代の主要街道には距離などの目安として1里(約4km)ごとに一里塚が広く整備されました。遠くからでも目立つよう、この塚には高木になるような木が植えられます。その一つがエノキでした。今でもその名残りが各地域に点在しています。そのためか、人里の近くや雑木林にもエノキがよく見られます。高いものだと樹高は20mにもなって横に枝を広げるため、当時の旅人にとっての目印として、また日影が得られる休憩所としても使われたことでしょう。左右不相性の葉は葉身が5〜9cmの楕円形で先が尖り、上半分に鈍い鋸歯を持ちます。葉が展開する4〜5月に花を咲かせます。枝の手前側に咲く雄花は単性花、枝の先に咲く両性花には白い毛で覆われた雌しべがあります。花の時期になると展開したばかりの葉とたくさんの花で、木は黄白色に染まります。果実は9月ごろ赤褐色に熟し、直径が6〜7mm程と可食部は少ないですが果肉を食べることができます。フルーツ感のあるこし餡といった食感と味です。樹皮は黒褐色で裂けることはありませんが、ヒビが入り凸凹になった個体もあります。[1][2]
生態
当種の生長は非常に早く、幼樹が3年間で3m以上伸長したという報告もあります。先駆種的な樹種であるものの、高木が倒れるなどして作られた林冠ギャップに乗じて生長する個体は少なく、どちらかというと河畔林のように大規模な撹乱が生じる場所で次世代へと更新するようです。材は比重が0.5〜0.8とやや重厚ですが、狂いが生じやすく変色もしやすいため器具材や家具材といった一般用途や、ケヤキの代替材として使われます。エノキといえば国蝶であるオオムラサキの食樹です。光沢のある青紫色の模様を翅に持つオオムラサキの幼虫は、エノキやエゾエノキの葉を食べて成長します。オオムラサキを保護するためエノキを植樹している例も多いです。[3][4]
Gallery
Property
| 分 類 | |
|---|---|
| 和名 | エノキ(榎) |
| 別名 | |
| 学名 | Celtis sinensis (Syn. Celtis sinensis var. japonica f. rotundata) (Syn. Celtis sinensis var. japonica) (Syn. Celtis sinensis var. japonica f. longifolia) |
| 目 | バラ目(Rosales) |
| 科 | アサ科(Cannabaceae) |
| 属 | エノキ属(Celtis) |
| 分布 | 日本、中国、朝鮮半島、東南アジア |
| 国内 | 本州、四国、九州、沖縄 |
| 用途 | |
| 特 徴 | |
|---|---|
| 針広 | 広葉樹 |
| 常落 | 落葉樹 |
| 樹高 | 高木 |
| 葉形 | 単葉(不分裂) |
| 葉序 | 互生 |
| 葉縁 | 鋸歯 |
| 雌雄 | 雌雄同株(両性花/雄花) |